ブーストアイテムはゲームの寿命を縮める。それを防ぐためのバランス実装の例 #サガフロンティア
2021/4/15発売の『サガフロンティア リマスター版』(以下、サガフロ)をプレイしています。約20年前の作品ですが、プレイしまくったタイトルだけに感覚は覚えていて、すいすいゲームが進みます。
原作の『サガフロ』 は7人の主人公が存在していて世界観は同じ。フリーシナリオという要素が特徴的で、1人の主人公プレイはゴール一直線で進めば1〜3時間ぐらいでクリアできます。
そして今回のリマスター版はさらに快適モードが実装されています。
●快適モードの一部
・マップ移動もバトルも3倍速度で進める
・データをすべて引き継いでNEW GAMEできる
・バトルの退却可能(マップを快適移動可能)
・各種演出がスキップ
など、加速度的にゲームが進められます。
せっかく作り込まれた演出の数々、一番の売りである技を閃く演出も飛ばせる(3倍速)ので、もはやすべてを快速させると作業レベルになってます。
が、すでにプレイした人にとってはそれで十分面白いんです。
実際プレイを始めて、アセルス 編で針の城から外に出る前に巨人をぶっ倒すという、過去のやり込み要素を再現してみました。
快適モードだと3時間ほどで達成しました。(2周目以降にアセルス でやれば、データ引き継げるので多分、5分ぐらいで巨人倒せるのを知ってがっかりしてしまったけどw)
で、そのまま、1日で3キャラクリアできた。結構寄り道しても。
しかしこの楽々快適モード。
最近の家庭用リメイクRPGにはつきものですが、ゲームの寿命を著しく短くする諸刃の刃であると改めて再認識しました。
サガフロ リマスター版はさらなるやり込み要素が追加されているので、この快速部分が上手く活きているなと感じました。
ただ、ただ何も考えずに快速モードを実装したり、ゲームバランスやゲームデザインの全体像が把握できていない人が快適モードやブーストアイテムだけを実装すると、ただゲームの寿命が短くなるだけなので注意が必要なことも確かです。
今回はそんな点について少し触れつつ、ソーシャルゲームが行っているブーストアイテムを売る時のバランス設計について少し触れてみたいと思います。
サガフロリメイクのやりこみ要素
❶新しい主人公「ヒューズ」を追加
リメイク版は当初の7名の主人公+1名の新規主人公「ヒューズ」のエピソードが追加されています。てっきり新しいシナリオがなぞれるのかと思いましたが、どうやら他の主人公のキャラのクリア状態をさらになぞれるという設計で、なるほどと感じました。
つまりはシンプルに全キャラをクリアしてからプレイすると面白くなるよという設計で、快速モードを活用して全キャラクリアしようかなというモチベーションが上がるデザインになってました。
あとヒューズ編は、他の主人公のシナリオでは辿れないシナリオとキャラが回収できるので、ドリームチームが組みやすいのもファンには嬉しい設計でした。
❷引継ぎNEW GAME+でアイテムが回収可能
繰り返しプレイできる要素としてレアアイテムが何回も回収できます。シンプルにキャラを最強にしたいというモチベが上がります。
が、改めてプレイしてみたけど、1人連携のDSCが強すぎて、全員武器不要の素手と体術でどんなボスもぬっ殺せちゃうw モンスターの難易度調整と、スキル連携のダメージ調整等も入ると良かったなと感じていました。
が、これはプログラムレベルでDLCしてもらえるといいですが、まぁいいか。
サガフロ リマスターまとめ
過去プレイした作品のクオリティと出来は最高のリメイクです。めちゃくちゃ遊びやすいし、思い出回帰の要素としては抜群。新要素もいい感じで過去できなかったことが回収できるので思い出補完も完璧でした。
●次回のテーマとして
今回のサガフロ リマスターは、快適機能の先にある追加要素がとても魅力的なのでプレイしている人もプレイしていない人にもいい設計だなと感じました。
ただ、一般的にはブーストアイテムと快適機能の入れすぎはゲームバランスを崩壊させます。しかし、そのもどかしさやストレスを商売にしているスマホアプリは、上手くバランス設計やデザインを行っています。
次回はその裏側、設計方法について触れてみたいと思います。
御拝読ありがとうございました。