2023/06/27 『だが、情熱はある』に心が震えた話
最近、よく不思議な夢を見る。せっかくの長期療養だし、日中は何かインプットをしようと決めていて、”映像コンテンツを見る→心が動く→疲れて昼寝”をしてしまうのだが(健康面を考えると、本当は昼寝したくない)
この昼寝時に見る夢のクセがスゴい。今日は体育館でゲイの男子中学生(多分、知的障害を持っている)から精子をかけられそうになり、それを介助する夢を見た。この夢をざっくりジャンル分けした上で、夢占いでソートすると下記のような結果が出た。
迷惑にならない場所で路上喫煙はしますが、今後も吸い殻はポイ捨てしないようにします。一目は置かれていないですが、優しさを忘れないようにします。ありがとうございました。
『だが、情熱はある』が終わった。
さて、先週の日曜日の話。毎週の楽しみ(心をエグられるから、少し見るのが怖い節もあるけど)であった「だが、情熱はある(日テレ)」が最終回を迎えた。この話の教訓というか、自分なりの思いというか、それはしっかり書き残しておきたかった。ので今日は日記というよりかは、この場を借りて、感想文と感謝状を書こうと思っている。
まず、自称"中堅リトルトゥース”である右恭にとって、オードリーの若林正恭さん(以降、リスペクトを込めて若ちゃんと呼ぶ)の半生を描いたドラマなんて、話を聞いた時点で、最初から見る以外の選択肢がなかった。
ただ、どう映像として作っていくんだろう?とか、リトルトゥースとして、その事実は嬉しいが、脚色とかで「なんか違うエンタメだな」と残念に思わないか?とかの一抹の不安があった。
(実際、Youtubeコンテンツ『東京ドームへの道』はそこまで自分にハマらなかった回もあったし。)
がしかし『だが、情熱はある』は予想に反して、想像の遥か先の結果を自分にもたらしてくれた。
結論から言うと、共感とか感動とか、コンテンツとしての作りこみの凄さ(作り手目線では)とかに、毎回心を動かされて泣いていた気がする。
勿論「オードリーのオールナイトニッポン」を長く聞いていた故の、思い出補正は乗っかっているはず。だけど山里さんパート(前述のように以降は、山ちゃん、しずちゃんと呼ぶ)然り、ジーンとくるものが各回にあった。
これはリトルトゥースだったから感動しているわけではない。色んな人の色んな時間軸での情熱が、テレビを超えて俺にぶっ刺さっているから、感動しているんだ!って、最後はそれに気づきながらエンディングの「なにもの」を聴いて泣いた。上手に創り過ぎだよ。
心震えたシーン&セリフ 3選
全12話。1話ずつ感想と褒めポイントを書いていきたいところだが、特に心震えたシーン&セリフを、未来の自分が読んだ時に思い出せる(奮い立たせる)ようにするために残しておこうと思う。
①『最終回 燃え上がるものありますか?』より、殴りかかってくるかもしれない人間が現れた時の若ちゃんのセリフ
まずはそのセリフを、タイムシフトが効くうちに文字起こししておく。
これは序盤の回の、試行錯誤した上で全く芽が出ない時代の若ちゃんのセリフであった「色々やったけど全然ダメ。自分が向かっている方向が合っているかも分からないし、そもそも自分がどこに向かっているのかも分かってない。辛いし、しんどいし、惨めで苦しい。」の伏線回収的なセリフに感じた。
シンプルに今、自分が全然ダメ側だから、この回の時には、それはそれとして「うん。うん。今は頑張り時だね。」って共感で泣いたし、最終回は最終回で、自分も続けていけば、理解してくれる人が、きっと未来に居るのかもしれないのかもな。って希望と、“みんな死んじゃえって思っている目をしてる”けれど、本当は真っすぐに生きてただけの人が、然るべきポジションに着けたって感動で泣いた。26歳の若ちゃん、本当に良かったね。
生きるって俺(26)にとって相当しんどいことだけど、明日もこの仕事というか夢の続きをやるか~って、そういう"原動力になった”という意味で、心が震えました。
②『11話 人は変わると思いますか?』より、しずちゃんと山ちゃんの関係性の変化
そもそも第11話は、全12回の中で若ちゃん視点、山ちゃん視点の両方でMKF(Most Kokoro Furueru)な回だった気がする。
リアタイ後にふとみたTwitterにて、リスペクトするシノダさんも同じことを仰っていたので、自信が確信に変わりました。(届け、松坂世代。)
これはセリフというよりか、描写全体(史実でもある)についてなんだけれど
まず、しずちゃんがボクシングを通して、山ちゃんの漫才に対する熱量に気づいて(100Nではなく100gという話)、「M-1にもう1回出たいです」っていうシーン。それに対して、山ちゃんの聖域であった『水曜JUNK 山里亮太の不毛な議論』にしずちゃんを召喚して、しずちゃんの全てを受け入れた末に「もう1回やろう!」ってリスナーにも向けて答えたシーン。最後に"M-1準決勝敗退”って結果を受け入れて『不毛』で決勝でやる予定だったネタを披露したシーン。
この一連の事実の山ちゃんの裏っ側を想像しながら、自分に重ねて羨ましいと思いつつ、その山ちゃんの葛藤も含めて泣いた。
自分はゴールデンエイジの時に、真っすぐに音楽で勝負が出来なかった。
今までこの人と一緒に制作したいな~と思った相方は数人いたけれど、誰も自分の熱量に気づかず(気づかせられず)、かつ実力も乏しく、ある意味、現実的な路線で行くという正常な判断をされて、フェードアウトしていった。真っすぐバンドが出来なかったからこそ、頭を捻るキッカケが生まれて、今はプロデューサーとして会社のお金を使わせてもらいながら、ブランド構想をスタートできたけれど(現在、暗礁に乗り上げつつあるが)、今でも自分は、あくまであっち側ではない。
音楽は1人だと出来ない。(自分は2人で制作しないと、趣味レベルの音楽から納得いくレベルまで脱せない。)だから、今でもそんな相方が欲しいな~と思っている。しずちゃんを引き抜き切る努力をした山ちゃんは凄いし、なんだかんだ南キャンをここまで維持させたことが、羨ましくて泣いた。あくまでも演技だけど、決勝想定ネタ漫才のシーンはカッコよすぎた。
葛藤の部分でいくと、M-1準決勝敗退っていう結果を受け入れて、次に繋げた(ラジオで決勝想定ネタを披露した)ところのメンタル部分に心震えた。
想像でしかないけど、凄く心で頑張った、色んなものを乗り越えたんだろうなって思った。加えて、そもそもネタを還元できる場所を既に作っていたってのも凄い。実に山ちゃんらしいな。とも思った。
あとこれは結果論だけど、決勝に行きました!ってストーリーよりも『だが、情熱はある』らしいストーリーになっている。本当に勝手な感想だけど、ドラマになった瞬間が、2016年のストーリーを完成とした瞬間なんじゃないかなっても思った。(詳しくないのに、勝手に考察して不快になった方が居たら、ごめんなさい。)
山ちゃんと南海キャンディーズの歴史はそもそも詳しくなかったから、知らないストーリーを知るときのドキュメンタリー的な楽しみ方も、このドラマで出来たし、実際、自分の生まれながらの性格的には山ちゃん派だっただな~と思った。今まで冷遇してきた奴らのことは、俺も言われた内容を細かくメモしてるし、ちゃんと同じ分の仕返しを売れてからして良いんだ!って、山ちゃんが自信をくれた。俺もしっかりやるよ(笑)。
怒りやフラストレーションはエネルギーに変える。その次にある、行動は今後も惜しまないようにしていこう。(体調が万全になってからね。)
③『最終回 燃え上がるものありますか?』より『明日のたりないふたり』終盤シーンでの2人の掛け合い
これもまず引用。というか文字起こし。
(仕事だと文字起こしは全然進まないのに、どうしてこうスムーズに起こせるんだろう。やっぱり染み入っているコンテンツって、スムーズに言葉が頭の中に入ってくるから、変な脳内変換がなく即タイピングできるだろんだな。)
実は今まで『たりないふたり』を怖くて見れなかった。理由は2つ。
1つ目はその歴史全てを網羅して、享受する時間と自信がなかったから。
まず初回をリアルタイムで知らないし。知らなくても、なんとなくANNKWは聞けるから「もういいや~今更遅いよな」と思っていた。
最大の理由である2つ目は"ぶっ刺ささりすぎるのが怖かったり、悔しすぎたりして、動きづらくなっちゃうコンテンツ”だって決めつけていたから。
これは”何かを作る人あるある”なんじゃないかな~と思ってる。
ただ『だが、情熱はある』を見て、途中からでも良かったから、リアルタイムで享受すればよかったな~って後悔した。確かに上記の理由はあったとしても、見ていれば救いになりそうな方の作品だった。
余談だけど、この手のコンテンツはこっち側の作品に見えて、実はあっち側からの、こっち側向けコンテンツであることのことが多いんだよ。
(こっち側の作品も、恋愛リアリティ番組くらい分かりやすくプロモーションして欲しい。)
そもそも自分がずっと"たりないひとり”だった。最近はコンテンツ制作の中で、同業の足りてなさそうな者たちの組み合わせで、"たりないふたり”とか”たりないさんにん”とか”たりないn人”を、テイストとジャンルを変えてやっているけれど、俺がそのnの数と内容の決定権を持っているから、特にラジオを回していたタイミングで、インスパイア(パクりとは言いませんよ)しまくれたのに。まあ自分の話はいいや。
自分は無名の客席にいた”たりないn人”。『だが、情熱はある』最終回の最終盤で流した涙は「悔しい!もっとやれる!誰かの人生を変えちゃうくらいのいいモン作りてえ!」の気持ちからきたものでした。そういえばゴッスピさん(Godspeed/青木征洋)にも、引用したセリフに似たような事を言ってもらったの思い出したわ。
今の自分と、理想の自分(世界線)のギャップが激しすぎるからね。いつか生まれてきた意味というやらを掴めるといいな。どれくらいのギャップ詰めたら、それを肌感じられるのかねえ。
お疲れ様です、締めます(強制)。
他にも、有賀さんのギターが主題歌で光ってる専門的な話とか、第5話の2人が煮詰まりすぎてカオティックになるのが、凄い共感した話(右恭版は〇〇で~)とか、第11話の若ちゃんのお父さんのクダリが『フィールド・オブ・ドリームス』のエンディングと『オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム』に通ずる!証明したい!ってのもあるけど、ここに記すには余白があまりにも狭すぎる。
もうネタもいいや。とにかく演者の方々、スタッフさん(ロールに載らなかった人含めて)の情熱に感服いたしました。自分もコンテンツメーカーの端くれにいますが、1クールを完結させたことある人間として、サブコンテンツへの流れとか含めて、全てにクオリティコントロールが行き届いていて、美しかったです。さらに遊び心とか、エンドユーザー視点では余裕すら見えました。勿論、本編の作り込み(本人たちへのリスペクトの高さ)の凄さは、若ちゃんと山ちゃんが語っていると通り。
強すぎるよ。今の自分には歯が立たないコンテンツだって思いました(それを言うことすら恐れ多いわ)。色んな人たちが、凄いクオリティでとてつもない時間『だが、情熱はある』と向き合ったんだろう。それだけは分かる。
このコンテンツ制作に関わった全ての皆さん。タイパとかコスパとか、一旦捨ててくれてありがとう。少なくとも、俺にはそのマインドとバイブスが、ちゃんと届きました。
"カマされたものには、誰かが同じくらいカマされるものを作る”が自分の信念(俺の周りもそう)なので、どんだけ時間がかかっても、同じクオリティで同じ情熱のモノを、まだ見ぬ誰かに届けようって思いました。
あなたたちが生んだ”明日のたりないn人”になれるように頑張ります。
ありがとうございました。
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