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もしもの時のために細野晴臣の些細な発言を見つけたら拾い集めておく

※タイトル通り細野氏の今後顧みられることもなさそうな些末な発言を今から拾い集めて置こうというだけの試みの一回目です。

富沢一誠「ニュー・ミュージック界の内幕2 プロデューサー編」「GORO」 1976年09月09日号
(※今の日本には)本物(※のプロデューサー)がいないという意見はアーティスト・サイドから多く聞かれる。
「一番の問題は音楽面で頼りにならないということです。自分の持っているものをぶつけてもリアクションがない。これではいいものはできませんよ。結局、自分の音楽は自分しかわかっていない。だったら自分でプロデュースしちゃえということになってしまう」(細野晴臣)
「自分以外に自分の音楽の要求を満たしてくれる人がいない。だから、自分でやるしかない」(大瀧詠一)
 くしくも日本のニュー・ミュージックを支える大物2人の口から同じ意見が聞かれたことは特筆される。「音楽をわかっていない」――これは大問題である。それとやはりハウス・プロデューサーということが問題だ。
(※)内は筆者注。YMO前夜、トロピカル三部作の時期の発言。


Todd Rundgren Japan Tour '88 パンフレット
質問事項
①もっとも好きなトッド・ラングレンの曲
②トッドを好きな理由(魅力 etc)
細野晴臣
①全部好きです。
②遠い国の人とは思えません。
※すごく適当に答えているのか割と本気で言っているのか区別がつかないのがいかにも細野テイスト。

高橋幸宏とケラ 対談「お笑いとテレビの話をひとつ」パチパチロックンロール増刊「合点だい!」1991年1月号
(※スネークマンショーがYMOのレコードに入った経緯について)
T(※高橋幸宏)「'70年代の終わりでね、(桑原)茂一が番組やってるの知ってて、それが全部面白いの。次のレコードに入れたいと思って細野さんに聞かせたら、すぐ“入れよう”って(笑)。実際の『スネークマンショー』にはできなかったネタ、スカトロものなんか強力で、もちろんチーチ&チョンの影響とか強いんだけど」

(※80年4月、YMOが武道館で行った『写楽』創刊記念コンサート、いわゆる写楽祭事件について)
T「(創刊記念の)写真コンクールがあって、篠山紀信大先生が来て優勝を決める本大会にYMOのコンサートがついてたわけ。とにかく客は全員がハガキで応募して、何百枚も出してやっと当たったみたいな感じで、YMOのコンサートだと思って来るのね。プロデューサーは桑原茂一で、ステージがおおげさに組んであんだけど、全部ハリボテで、僕らはキングストン・トリオのカッコで出て行って「花はどこへいったの」とか、3曲フォーク・ソングやったの。で、途中で細野さんの語りとか入って、“みなさん、どうして世界からは戦争がなくなんないのでしょう?”とか言って(笑)。冗談で言ってんだけど、みんな本気で聞いててさ。それで3曲終わるとガーッて地震みたいな音がしてステージが崩れ落ちると、紅白のタキシード着たサキサカさんが出てきて、“今日のYMOのコンサートはこれで終わりです”(笑)。アリーナは客入れないで、でっかいプールがあって、まわりは僕たちの友人を全部呼んで、あとアルファ・レコードの取締役たちとかが、みんなただ酒飲んだりしてるだけ。それを客が観てる。俺たち金払わない客、嫌いだからさ(笑)。合間にいろんなギャグとか、クラシックの合唱隊とかあるんだけど、YMOのメンバーも変装して中に混じって出てたのね。そんで1時間ぐらいしたら、客が怒り始めたの」
K(※ケラ)「合唱隊の頃ですか?」
T「うん。“ハガキ代かえせー”とか“裏切り者ーっ”とかね(笑)。ドンドン足ふみ鳴らしてね。合唱隊の時は3人とも出てて、教授は女装してピアノやってたの。客は教授とは思ってないわけ。で、誰かが“バカヤロー”って言ったの。そしたら教授が女装のまま“うるせーな。今言ったのこっち下りてこいよ”とか客に言ってるわけ(笑)」
K「ハハハハハハハ。マヌケだなあ。女装したままそんなこと言っても」
T「すごいマヌケなの。細野さんは“僕知らない”って言ったんだ。で、僕が“まあまあまあ”ってまるめる役でね(笑)。で、武道館全体がワーッとなってる中で“次はご対面コーナーでーす”とか言って(笑)。それで1部終了。楽器全部隠してたんです、シーツかけたりテーブルにしてあったり。それ取るとアリーナから外に向かって演奏できる。で、その前に怒号の中の表彰式があって、篠山さんは椅子けとばして帰っちゃった」
K「お客に怒ったのかな?」
T「いや、全体の雰囲気でしょう」
K「ククククククク。全体の雰囲気に、いたたまれなくなって(笑)」
T「で、2部で着替えてパーッと9曲くらいやったかな。“冗談の分かんねぇ客だな、バカヤロー”とか言って(笑)。ものすごい過激な演奏なんだよね。それで、お客は一気に盛り上がってんの。あれで盛り上がれるっていうのもすごいなとか思ったけどね」
(※)は筆者注。発言としては本当にどうでもいいような短い言葉だが状況がわからないと意味が分からないと思うので長い引用になった。ちなみに他ではずっと一人称「僕」を使っている高橋幸宏が一箇所だけ「俺(たち)」という言葉を使っているのは、わざと悪ぶってジョークとして言っているためだと思われる。

※また三つくらい見つけたら続けます。

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