ウクライナとマクドナルド

8月の報道になるが、米国マクドナルドの幹部はウクライナ国内店舗の営業を段階的に再開すると発表したそうだ。
同社幹部によると「ささやかでもかけがいのない日常感」が今のウクライナにとっては何よりも重要だとの判断によるとのこと。
ウクライナのクレバ外相も「素晴らしい米企業の営業再開は何よりもまず、たとえ戦争中であってもウクライナにビジネスチャンスがあることを国際企業に示すことになる」と歓迎のコメントが出されている。
 
以前、在ウクライナ日系企業の人たちと意見交換した際:
日本のウクライナ支援は、国レベル・個人レベルで声高に叫ばれているだけでなく、実際に多くの寄付金や支援が行われている。
その一方で、企業単体、特に大企業で見ると、ウクライナは高リスク国として分類されており、徹底したリスク管理が求められているのが実態である。
新規投資はおろか、通常の取引でさえ様子見となっている他、カントリーリスクや企業による信用リスクを最小限に留めた厳しい取引条件を相手方に要求している。
ウクライナ経済の復興のためには、従来通りのビジネス、もしくは従来以上のビジネスの推進こそが足掛かりとなるにもかかわらず、どの企業も徹底したリスク管理主義によって、ウクライナ経済は負の連鎖に陥っている。
との意見。

この話は日系企業だけでなく、グローバルに展開している企業全てに当てはまるのかもしれない。投資とリターンをグローバルで考える場合、今のウクライナに資金を投入することが、企業の成長戦略を実現する上で本当に最適な選択肢となり得るか?と問わると、残念ながら「YES」とは言えない。
経営は、より確実なリターンが見込める地域に資金を配分していくことが求められており、ウクライナへの積極的な関与に躊躇することも賢明な判断である。
今はウクライナに関わる一人として、企業として生き残ること、結果を示すことで、ウクライナの将来的な復興・発展に小さな貢献ができればと考えている。

マクドナルドのような会社が増え、正の連鎖/経済の好循環が少しでも生まれることを期待したい。 

ウクライナでの事業再開の記事を読んだ日、当然のことながら夕食はマックを選んだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?