空と雲と川と鮎と…
川行ってくる
いつもより 遅めに漁場に出かけた
風は 南風
何処か お盆過ぎのような涼しさを
感じる
居座りのお爺が 瀬に張り付いている
そんな姿を 横目に
いつもの 漁場に
水は ほんのり冷たく
水流は 穏やか
魚が 跳ねている
巻網を持ち出し 巻いてみる
網は 真っ白になるくらい 小魚が掛かる
90匹 雑魚(ハエ オイカワ…)
10匹 稚鮎の稚鮎
そんなものである
一匹一匹 外すのが リハビリリハビリ
瀬を打つと 良い鮎が....
もしかして....
新しい漁場に 向かう
溜まりに打つと 良い鮎が....
今日は 大漁日かも….
流れに身を任せて
せせらぐ 川の音を 愉しむ
なんだか 今日はとても
穏やか....
川の神さまも 程よく
宴の 鮎を 分けてくれた
遅めの昼食は
鮎の塩焼き四匹....
今宵の宴は
なかなか獲れ無い
稚鮎の稚鮎を 炊いてみた
摘みながら
唐揚げを揚げる
今日も 川見のお爺が 話かけてきた。
“獲れたか?”
“九割が 雑魚
稚鮎の稚鮎が まだまだ居ると”
“そら 天然やな”と
続けて 語り出す..,
“俗世間の人は ヤナに行き
養殖の鮎を 美味しい美味しいと
天然遡上の鮎を知らずに
一生を 終える”
御意
なかなか 真理を話す爺さんだった
友人知人に 鮎漁師が 居たら
尋ねてみると いい
“天然遡上の鮎って?”
彼らのやってる事は
太古からなんら変わらない…
平安な暮らしをする縄文人
鮎漁師 浮世雲