書籍「記憶に残る人になる」を読んで
この本の著者、福島靖さんは、リッツカールトンホテルで6年間働き、その中で「記憶に残る接客術」を学びました。しかし、その後、アメリカンエキスプレスに転職した際、営業成績は最下位に。著者にとって、とてもつらい経験でした。
けれども、福島さんはそこで諦めることなく、リッツカールトンでの経験を活かして、商品やサービスを売るのではなく、「自分自身」を売るという方法に切り替えました。お客様に信頼される人となり、結果的にトップセールスまで上り詰めることができたのです。
私がこの本で特に共感したのは、「誰もが面倒くさいと思っていることを丁寧にやることが大事だ」という部分です。また、「他の人がやっていないことをやることで、記憶に残る存在になれる」というメッセージも心に響きました。
例えば、多くの人は商品やサービスを選ぶ際、その品質だけでなく、販売している人の対応や姿勢に感動して購入することがあります。人間は、論理的に物事を選ぶこともありますが、実際には感情が大きな役割を果たしていることが多いのです。
私の仕事でも、誰もが「面倒だ」と感じることをあえて丁寧に行うようにしています。効率だけを追い求めると、ただの「普通の人」や「普通の会社」になってしまい、お客様の記憶に残ることはありません。だからこそ、手間を惜しまず、人の心に残る存在を目指すべきだと思いました。
この考え方は、日本国内でも多くの成功者が実践しています。たとえば、ユニクロを運営するファーストリテイリングの創業者、柳井正さんは、従業員に対して「お客様を第一に考える」ことを徹底して教えています。彼は、ユニクロの成功の裏には、ただ商品を売るだけでなく、従業員が一人ひとりのお客様に真心を込めた対応をすることが大切だと考えています。
また、日本電産の永守重信さんも有名です。彼は、「人がやりたがらないことを率先してやる」ことを強調し、徹底した努力と丁寧な仕事が会社の成長につながると信じて、実行しています。このように、成功した経営者たちは、他の人がやらないことをあえて挑戦し、お客様に信頼され、記憶に残る存在になっているのです。