「きのう寿司食べた」なんて言わなきゃいいのに
寿司は特別だ。
回転寿司チェーンがこれだけ身近になっても、わざわざレトロニムとして〝回らないお寿司〟が存在するくらい別格に特別。
私は回転寿司行くとかんぴょう巻と稲荷寿司を必ず食べるよ。
すきやばし次郎なんて夢のまた夢。カウンターの寿司屋に入った経験なんざアラフォーになった今でも一度しかない。
その一回も13年前の塩竃でボランティアやってるときに、一緒に活動してたオジサマたちが、かろうじて営業してたお店で鉄火丼をごちそうしてくれた一回と言うかなり特別な経緯のものだ。
思い返すと子どもの頃の私にとって、お寿司と言えば店屋物だった。法事とか、家族の誕生日とか、結局特別な日に食べるもの。
とは言え「昨日寿司食べた」なんて学校で言うもんじゃないね。
「いいなー」って羨ましがられるのはあまりいい気持じゃなかった。悪目立ちしたくないって気持ちが強かった。
「家族の誕生日だったから」とか言い訳したところで「昨日寿司食べた」以外聞いちゃいないもん。
最近の私の食べる機会が多いのはスーパーのパック寿司だ。
これも実家を訪問したときに食べる。
つい最近「離婚する」と言い出して、その前にいい加減病院に行けと精神科に連れていかれて入院したにも関わらず、脱院した母と、もう打つ手なしとうなだれている父と3人で食べるパック寿司は罰ゲームみたいに味がしない。
家族で集まって食べる特別な食事だからこそ、美味しい気持ちで食べることができなかったすき焼きとかお寿司とか、どこのご家庭にもありそう。トホホ人生呑み込む外向きの車座ですよ。
や、家族と言ったところで神経がつながってるわけじゃないんだから別の個体だし、他人よ。
どうせ他人と食べるなら美味しく食べれる他人と一緒に食事したほうがいい。
ちなみにカミさんの好きな寿司ネタは納豆巻。
フウフ揃って板前泣かせの安上がりでございやす。
【イベント情報】
来たる12月1日の文学フリマ東京39
東京ビッグサイト西3・4ホール
ブース:ぬ-23のステラーブックスにて、私の詩集『死にたくなくなる薬を飲んでまで』が頒布されます!
こちらのWEBカタログにも載っているのでぜひお近くにお立ち寄りの際は見に来てくださいね。
https://c.bunfree.net/c/tokyo39/w/%E3%81%AC/23
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