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引きこもりながらも動き回る〝にじいろまいまい〟の歩み

 今でこそ外に出歩いて働いているものの、私は十年ものの引きこもりでした。
就労に至るまでには公共の支援機関を利用したわけですが、そこで出会ったクリエイティブなスキルや趣味を持つ人たちを中心に結成したのが〝にじいろまいまい〟というサークルです。

 最初の活動は公立図書館のギャラリースペースでの展示会でした。
作品を制作して終わりではなく、キャプションやアンケートボックスの手配をしたり、チラシを作って宣伝をしたり、1からイベントを企画して実行するのは大変ですね。

 にじいろまいまいを結成した動機は基本的に3つあります。

1つ目は場数を踏むため。
就労支援機関では、雇用されるための実習は受けられるけれど、フリーランスを疑似体験する機会はないので、そのための場としたかった。
営業してチャンスを作って作品制作をして、成果を出して、その成果を持ってまた営業して。ポートフォリオや履歴書に書けることも自然と増えていくしね。

2つ目は相互触発。
メンバー同士でコミュニケーションを取ることや、行ってみたい美術展や公演などをシェアして一緒に行くことで、自分の観測範囲外の刺激を受けて、新たなアイデアを得られる環境を作りたかった。

3つ目は、いわゆるサードプレイス。
一般的には家庭と学校or会社とサードプレイスなわけですが、学校や会社に通っていない人間にとってのサードプレイスなので、家庭と支援機関に対してのサードプレイスですね。
支援機関自体がセーフティネットなので、どちらがセーフティネットの役割を担っても良いように、ということは考えていました。

 私を含めて順風満帆な人生ではなかったメンバーが多いので軋轢も多く、最初の展示会から4、5年経っているのでかなり入れ替わっています。
でもサードプレイスの居心地が悪くなること自体はそんなに悪いことじゃないというか、新しい居場所を見つけるまでの一時的な避難所の側面もあるしなあ。
でも団体名を考えてくれたメンバーとも連絡がとれないので、「このまま名乗り続けてていいのかな」と不安になることもあります。
〝自分の部屋を背負ったまま動き回る〟というアクティブな引きこもり像や、〝それぞれがそれぞれのペースでゆっくりと活動する〟ことを象徴していて、本当に良い名前だと思っているので使わせてもらってますが。

 結果的に私が代表のようなことをやっているけれど、組織にしたくないという気持ちはずっとあって、にじいろまいまいという箱にメンバーが入っているというより、各々活動しているメンバーたちににじいろまいまいという共通タグがついているような認識でいます。

 そんなにじいろまいまいとして直近の活動は、来月に浅草で行われる『2025 Gallety share 展』への参加です。
デジタル画や写真、短歌などを展示する予定で、目下準備中です。
はたして私の短歌は間に合うのか!?

『2025 Gallety share 展』
期間 2025年2月12日(水)~19日(水)
開場時間 11:00-17:00(最終日は15時まで)
場所 隅田公園リバーサイドギャラリー(銀座線浅草駅より徒歩2分)


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