二十四節気 大雪
山々は雪に覆われ いよいよ本格的に冬が到来するころ
雪
雪の結晶は、どんな形をしているか知っていますか?
六角形です。
様々な形があるのですが、ベースは六角形。伸ばした枝の部分が12本、18本となるものもありますが、6の倍数となっています。
雪の結晶を研究した中谷宇吉郎さんは、「雪は天から送られた手紙である」といっています。
なんと美しい表現でしょう。
豪雪となる地域の方にとっては、雪は煩わしいこともありますが、それでも初雪の観測は、「便り」が届いた、と発表されます。
空気に含まれた水分が、冷やされ、ちりやほこりと合わさり、結晶化される。
小さな粒が、地上にまでゆっくりと落ちてくる。
雪に含まれる水分量によりますが、雨の1/4のスピードだそうです。
結合するチリの大きさ、ぶつかる氷の結晶、吹き付ける風、地上までの旅路…全く同じ条件で落ちてくることは、不可能ですから、雪の結晶は、全て違う存在である、ということができます。
地上で降り積もり、真っ白な銀世界を見せてくれるのですが、一粒一粒を感じるならば、さっきの条件で見れば、どれ一つとして、同じものは存在しないのです。
六角形をベースとし、分類することができるけれど、全く同じものはいない。
それは、私たちと同じであると言ってもいいかもしれない。
自然界は何も語らずとも、ただ、「在り方」によって見せてくれているのだと、私は思います。
冬
冬。
植物たちは、葉や実らせた果実までも落とし、幹と枝(見えない根)という骨だけになる季節。
動物や昆虫たちも冬ごもりの準備を終え、冬眠に入っていきます。
自然界に訪れるのは、静寂。
人間たちも、寒さに口数が少なくなっていきます。
そうすると、小さな音が聴こえてきます。
雨が窓をたたく音。
シュンシュンとお湯の沸く音。
クツクツと煮える料理。
雪を踏みしめる足音。
静けさによって引き立てられるものがそこにあります。
そして、そこには、自然と人のぬくもりを感じる。
乾いた空気が、小さな音もクリアに届けてくれるのでしょう。
静かな空気の中で、冬ごもりをしながら、あなたの中の何を育みますか?
大地の下の種は、死んでしまったわけじゃない。
力をためながら、来たる春に向けて準備をしている。
私たちも、自然の営みとシンクロしてみるはいかがでしょう。
冬至
次の二十四節気は冬至です。
その頃かいておくと、遅くなってしまうので、ひとつ。
冬至に用意するのは、柚子。
黄色くて丸い柑橘は、太陽の形代(かたしろ)です。
太陽の力が一番弱まる冬至の時、形代である柚子を用意して、太陽の復活を喜びました。
あ!忘れた!と、当日焦らないように、前もって準備しておきましょうね。
冬は、備えてなんぼです。
ありがとうございます!