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命名とお出迎え
ペットショップを出るとき「キャリングケースどうします?うちで買っていかれます?そしたらセットにしますけど」と言われて、猫を運ぶのに便利なキャリングケースを薦められたので、お店にあるオススメのを選びました。「あと、この子の離乳食がコレなんで、一緒に買ってあげてください。」と、カナダから輸入したドライフードもすすめられたので一緒に買うことにしました。このエサが実は当時「世界一高いドライフード」と呼ばれた有名なエサで普通は高い値段で売ってるものなんですが、そのお店ではずいぶんと普通のエサとかわらないぐらいの安い値段で売っていました。あとで聞いたのですが日本でまとめて輸入する会社を作った知り合いがいて、大量入荷の仕入れ値段でそのペットショップに小分けしてくれてたんだそうです。さぁ10万~20万ぐらい用意しようと思い立っていろいろお金の工面をして、翌日に大型ホームセンターに行きました。猫に合わせてエサや水のお皿、大型のトイレ、小型のトイレ、大きな水入れ、トイレの砂、全部で3万も行かなかったですが購入して自動車に詰め込んで、ペットショップに向かって走らせている間に「そうだ、名前決めるんだった・・・」と思い出し、運転しながら名前を決めることにしました。当時の私の別名というかペンネームみたいなものがあって、最後の文字が「ルル」だったので「お揃いにしたいな~」と考えて、「そうだ、リルルにしよう。可愛い名前っぽいし」苗字も考えておこうかなと思い「エルレーケ」にしました。(北欧神話か何かの酒の女神の名前だったと思います)命名:リルル・エルレーケ。1998年1月26日産まれのオスなのはわかっていますが、それ以外は不明なんですけどね、この時点では。もちろん性格がどんな子か、私との相性は?とか、いろんなことが不明だったんですが、とにかくリルルとは運命を感じていたので不安はありませんでした。ペットショップにつくと、もうリルルは母猫と離されてケージに一人で寂しそうにたたずんでいました。店長さんが私を見て「あ、今ケースに入れますね。何か漏らすといけないからペットシーツおまけで敷いておきますね」と丁寧に優しくケージからケースに入れてくれました。「名前はリルルがいいです」と伝えて、血統書の名前申請を行う時にリルルで登録しますと。エルレーケまでは入らないとも言われ。(血統書の名前は猫籍に掲載するため世界で1つの名前しか登録できず、文字数も制限があり、そこにブリーダーさんの名前なども入っているので猫の名前をリルルと付け足すのはできても、エルレーケまでは入らないとのことでした)エサ代とキャリングケース代、猫の価格と合わせて現金で支払って、私はリルルを連れて自動車に乗り込み自宅へと向かいました。途中、お店によって「猫の飼い方」という図鑑を買いました。そこ順番逆だろうと突っ込まれそうですが、リルルと目が合った時、運命を感じて購入を決めたので猫の飼い方自体知らなかったんですよ。ホームセンターで猫のシャンプーも買ってあったので、家に着いたら、まずリルルをお風呂に入れることにしました。(注意:絶対マネしないでくださいね。本当はNG行為です。猫の環境が変わった時の1~2週間はお風呂禁止だそうです。後で知りました)ペットショップでは高い猫はエサもモンプチとかの半生フードでしたし、トイレも猫砂でした。リルルはというと、激安の子なのであまり経費をかけたくなかったんでしょうけど、ドライフードと、新聞紙をシュレッダーにかけたものを使ったトイレでした。だから汚れていると思って洗うことにしたんですよ。ぬるま湯を用意してリルルを漬け込むと、すっごくイヤがって叫びます。小さい体のどこからそんな声が・・・ってぐらい。かわいそうだから、ささっと洗って、暖かいお湯ですすいであげて、たくさん用意したタオルでしっかり水分をふき取って私の部屋に連れていき石油ストーブを使って部屋を暖房して、まずは散らかった部屋を片付けながらリルルをストーブのそこそこ近くの暖かい場所にケースごと置いて毛を乾かしてもらうことにしました。「きゅう、きゅう」と鳴いていましたが、やがて、ゴロゴロと喉を鳴らしはじめて、私はその音を初めて聞くので「どこか具合が悪かったらどうしよう」と思いながらも、リルルが飲み込んだりしないようにプラモデルなどの部品など危ないものを片付けて掃除機をかけて、大型トイレと小型トイレを設置し、中型犬用簡易ハウスを置いてそこに飲み水とエサを設置しリルルを解放しました。その時の部屋は4畳半でしたが、パイプベッドとPC2台があるだけで、思ったよりスッキリした部屋でした。リルルはさまよい始めました。「きゅう、きゅう」と鳴きながら部屋の中を行ったり来たり。「ママどこぉ?」と母猫を探してる様子でした。あれだけ甘えてた母猫が居なくなってリルルはパニックになっていたようです。途中で疲れてティッシュペーパーの箱に入って気持ちよさそうな顔して寝始めました。邪魔をしないようにと思い「猫の飼い方」を読み始めました。「環境が変わった時の猫に与えるストレスは絶大です。絶対に1~2週間はお風呂に入れないでください」と書いてあるのをみて「しまった」と思いましたがあとのまつりでした。だいたい風邪をひいてこじらせることが多いそうです。さいわい、リルルは何も問題なかったのですが、しばらく心配でしたね。リルルの母親を探す冒険は3日続きました。その間エサはちょこちょこ食べてました。よくティッシュの箱で寝てましたが、寝ながらおしっこをしていて、その匂いのついたティッシュの箱に猫砂を入れてあげたら「これはボクのおトイレかな?」と認識したらしくて次からはそこで、おしっこするようになりました。母猫を探して3日目、ついに「もうママとは会えないんだ・・・」と悟ったらしいリルル。ベッドの上からずっと自分をみつめている私の存在に気付いていたのか、急に私をじっと見上げて、何かを悟った顔をしました。「そうだ、この人がボクの新しいお母さんだ!」と思ったらしく、小さな体で頑張ってベッドまで登ってきました。私の枕の横にタオルを敷いてあったのですが、それを見てリルルはそこにお座りをして、頭を下げました。「これからよろしくお願いします」と言った気がしました。リルルはタオルの上で丸くなっておとなしくしていたので、そっと撫でてあげると「きゅー」と一言鳴いて眠りにつきました。これがのちに「人生最高のパートナー」となるリルルとの生活の始まりでした。以後18年続く事になります。(続く)