「行列のできる〇〇店」の実情は意外と厳しい?
こんにちは、さめすけです。
突然ですがキッチンカーは「行列とどう向き合うか」という商売です。
スポーツ系のイベントでは特に、試合開始の数時間前に全てのキッチンカーに人が並びだす、ということもしばしばあるので、行列を経験したことがないキッチンカーというのは皆無だと思います。
今回は誰もが一度は直面する「行列」について考えてみようと思います。
行列ができている=提供スピードにボトルネックがある
結論から言うと「売れているキッチンカーを見分ける」ことにとって行列は必ずしも良いサインにはなりません。行列ができているということは提供スピードにボトルネックがあるということだからです。
「行列ができているキッチンカーは儲かっている」というわけではなく、行列ができているのは「人が並ぶスピードに提供スピードが追いついていない」ということが事実です。
なので行列ができている=売れていると判断するのは危険で、「いつも適度な長さで行列ができており、行列が一定速度で進んでいる」キッチンカーが最も高い売上を維持している傾向があります。
もちろん、クオリティの高い料理を提供するためこだわりを持って時間をかけて調理するキッチンカーも多く知っています。あくまで上記の式は「時間あたりに多く提供しているキッチンカー」を見定めるためのものであります。
飲食店の場合
飲食店に行列ができている場合、例えば下記のような要因があげられます。
・提供スピードに限界ある場合
・食べる時間がかかる商品の場合
・席数にボトルネックがある場合
二郎系なんかは提供スピードに限界がある場合がありますが、ほとんどは席数にボトルネックがある場合が多いと感じます。
提供のオペレーションは改善次第で早めることができますが、席数はほとんど変えられない場合が多く、多くの売れている店がこの問題を抱えていると考えられます。
席数によって売上のトップラインが決まる
飲食店を立ち上げた当初は「どれくらいのお客さんが来るか」というのは全く未知数です。
ただその席数がボトルネックになってしまうと行列につながってしまいます。行列ができることは売上の天井が決まるということです。
提供スピードとは違い、席数というのは店舗を立ち上げてから修正できるポイントではないので、どうしても改善が難しいポイントでもあります。
なので長い行列ができているレストランは実は隣のうどん屋より売上が低い、というのも普通にある話です。
飲食店がキッチンカーを副業として
上記のような流れから飲食店がキッチンカーの副業としてやることが最近増えてきています。
持ち帰り前提なので席数への成約を受けず、お客さんの食べ終わる時間を待つ必要もありません。特にランチの時間帯などは飲食店よりもキッチンカーの方が時間あたりの売上が拡大する傾向にあると感じます。
飲食2.0
行列というのは自分の飲食店が評価されている、時間がかかっても食べたい!というエンゲージメントの高いお客さんに愛されているというポジティブな要因ではあります。しかし飲食店側からすると今のオペレーション、環境ではこれ以上売上を伸ばせない、というある種のサインでもあるのです。
一つの解決策として場所をキッチンカーに移動するということは考えられますが、とはいえキッチンカーは「いつもそこにいないためリピーターを獲得しにくい」「提供できる料理が限られる」などデメリットももちろん存在します。
昨今Uber Eatsにより簡単にフードデリバリー事業に簡単に参入できるようになりました。今回は行列という点において飲食店とキッチンカーを比較しましたが、今後、一つの事業者が様々なそれぞれのメリットとデメリットを考え複数の方法で料理を提供していくのだろうなと考えます。
美味しい料理を多くの人に食べてもらうために、どんな手段が最適なのか未来を考える日々です。