経営管理とは

「いかにして経営を推進していくべきか」について書きたいと思います。

中小企業白書の調査によると、中規模事業者、小規模事業者が抱える課題は、上位から①人材確保、②営業開拓、③生産・製品、④財務となっております。

人材確保は会社の基盤そのものに大きく影響するものであるため、もっとも重要であることは疑いの余地がありません。また営業開拓、生産・製品についても売上に直結するため非常に重要な事柄であり、財務についても会社を安定的に存続させていくためには常にモリタリングをしていくべきだと思います。

一方で同じく中小企業白書の調査によると、経営計画を策定しているかというアンケートに対して、経営計画を策定しない中規模事業者は30%、小規模事業者においては53%に及びます。

その理由を見ると、もっとも多い理由が「ノウハウがないから」、次いで「時間がないから」、「相談相手がいないから」となっております。

これらの理由を考察すると、そもそも現状の経営状態自体を把握できていないのではないかという疑問を抱いてしまいます。そもそも経営は過去から連続的に推移していくものであるため、現状の経営状態を把握しないと経営計画など立てることなどできるわけありません。現状の経営状態を把握したうえで、改善施策を検討する。そして実際に改善施策を実行するには投資が必要になってきます。したがって、経営計画とは、最終的にはどの領域、どの分野に投資をするか、そしてそれはなぜかという問いに答えるためのものです。ただ漠然と、今後の売上を何となくで決めるようなものでありません。

それでは現状の経営状態を把握するとはどういうことでしょうか。

  • 売上は上がっているのか。下がっているのか。エリア別、製品別、顧客別に売上増減とその理由が把握できているか。コストについても同様の観点で把握できているか。

  • 現状の売上・仕入・在庫などの回転率はの増減は把握できているか。そしてその内訳として最も大きく占める要因はどこにあるのかが特定できているか。

  • いくらまでの借入であれば経営の重荷にならないか。より積極的に事業を拡大するために、逆にいくらまでであれば借入してもいいのか。

このような基本的な分析を少なくとも四半期ごと、可能であれば毎月アップデートしていくべきです。そのうえで目指すべき目標値を立てて推進していくことが重要です。その積み重ねが中長期的な経営計画へとつながります。

現状このように経営状態を細かく把握できていないと仮定した場合、それはなぜでしょうか。

おそらく以下が主な要因かと推察します。

  • このようなデータを可視化できる人材がいない

  • 既存の業務に追われてそこまで詳しく把握する時間がない

  • そもそもどのような項目を把握すべきなのか分からない

仮にこういった理由で現状の経営状態が把握できていないとした場合、解決策としては、社内で何とかするか、外部に協力してもらうかのどちらかとなります。社内で何とかする場合は、できる人材を採用してくる必要がありますが、現実的にはそのような人材を採用してくるのは非常にハードルが高いと思われます。したがって、アプローチとしては、まずは外部に協力を依頼し、並行して人材採用も行うというのが現実的なやり方ではないかと思います。

今の日本経済を下支えしているのは中小企業です。中規模事業者の30%、小規模事業者の50%がこのような経営推進に悩みを抱えているというのは将来の日本経済を発展させていくうえで解決しなければいけない課題だと考えます。

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