「穿く」という漢字が攻撃的に見えてしまうので、理由を考察してみた件
今日もこちらの記事にたどり着いていただきありがとうございます!
今週が今年最後の夏日だそうで、週末からグッと気温が下がるそうです。
気温の変化注意ですね…。
今日は本当にしょうもないことがテーマです。
とある日、お笑い番組を見ていた時、以下のスーパーが太字で出てきました。
「ズボンを穿く!」
恥ずかしながら、当時読み方を知らず、
漢字が「穴」と「牙」で構成されているので、
「やぶく」とか「つく」と読むのかと思いました。
調べてみると、読み方は異なり・・。
「穿く(はく)」:
衣服などを、足先から通して下半身につける。
「ズボンを―・く」「袴を―・く」
(コトバンクより引用)
…漢字の雰囲気と意味のギャップありません?
ヤンキーが野良猫を愛でるように、
見た目とは裏腹に穏やかな意味があったみたいです。
でもどうして、この漢字が「はく」という意味になったのでしょうか。
Googleで由来を検索してもピンポイントで答えは返ってこないので、
他の読み方から考察してみましょう。
主には他に2つの読み方があります。
「穿つ(うがつ)」:
穴をあける。掘る。また、突き通す。貫く。
「雨垂れが石を―・つ」「トンネルを―・つ」
(コトバンクより引用)
「穿る(ほじる/ほじくる)」:
①つついて穴をあけたり、穴の中からかきだしたりすること。
「耳を―・る」「鼻を―・る」
②細かいことまで取り上げて追及すること
「過去の話を―・って聞かれた」
(小学館デジタル大辞泉より引用)
どちらの意味にも共通しているのは、「貫く、穴をあける」ことで、
元々は中国由来の言葉だそうです。
前漢のことを記した歴史書『漢書』・枚乗伝に
「泰山之霤穿石」と記述されていました。
現代語訳すると「泰山に降る雨の霤は石を穿つ」となります。
泰山とは、中国山東省中部にある名山を指しており、その山から染み出た雨の雫(蕾)が長い時間をかけ、滴る雫で石を砕いたと言う逸話だそうです。
それが転じて、現代では
「雨垂れ石を穿つ(どんなに微力だろうと、それを諦めず継続していけば、いつの日にか努力が実る)」として使われています。
あくまで考察ですが、
「穿く」時も「衣服に足を貫いている状態になる」ことから、
「はく」と読むようになったのではないかと推察できます。
何故攻撃的に見えるのか。
それはやはり「穴」と「牙」で構成されているからでしょう。
その背景は2000年ほど前の古文書に遡り、
微力でも諦めずに継続することで努力が報われるという意味がありました。
「雨垂れ石を穿つ」
心に留めて日々を邁進していきたいと思います。
ここまで読んでくださった方、大変感謝しております!
「穿く」という字について疑問を持ったことで
学びや気づきが多々ありました。
「疑問を持つこと」は成長の源泉だと思います。
今後も「しょうもないこと」でも疑問をもって本質を見抜く力を養いたいと思います。
今日も一緒に!
UK3