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IT業界でよく使われる「SES」とは

業界特有の言葉は色々あります。
業界内でしか使われない。
普通に使われているために、業界の人達は世間の共通言語と認識している。
業界外で使うと全く通じない。

IT業界では、「SES」という言葉があります。
SES(System Engineering Service)
です。
技術サービス?と思ってしまいます。
説明していきます。

使われ方

・弊社の中心事業は、「SES」です。
・「SES」の営業をしています。
・契約は「SES」でお願いします

このような言葉が使われます。

事業形態であり、契約形態になっています。
SESの根本が分からないと伝わらないですね。
顧客開拓のためIT業界外の方とよく打合せしますが、SESという言葉を
知らない方がほとんどです。

意味

「準委任」とほぼ同義語です。
準委任自体は一般に認められた形態なので、知っている方はいると思います。
派遣でも請負でもない。
指揮命令など派遣事業制約に制限されず、請負の成果物責任もない。
そういう誰にとっても都合よく、受入れやすい形態ですね。
IT業界で使われると
「ITエンジニアを準委任形態で提供し、月単価○○円/人 で契約する。
 それで売上を確保して事業展開する」
ということになります。

業界構造の特異性

このSESは業界構造が生み出したものだと思ってます。
業界にとって都合の良い形態です。
IT業界は、多重下請け構造になっています。
4次請け、5次請けなど階層は把握できないくらい深いです。
そうなると派遣はもちろん不可。
請負で成果物責任も高リスク。
成果物を明確にして事前調整をすることは、伝言ゲームのような多重構造
ではヌケ・モレの発生する可能性高くなります。
リスクは大きくなりますね。
そこで、最も都合いい形態が準委任というSES

SESはIT業界として定着していて、恩恵を受ける企業はたくさんあります。
社会貢献もしているでしょう。
ただ、なんせ簡単に事業展開できます。
そして低資本で参入できます。
企業数が多いです。「雨後の筍」のように増えてます。
その企業がこぞってITエンジニア確保すれば、「人不足」と言うでしょう。
これも社会の仕組みの一つなのかもしれませんね。

お役に立てればうれしいです。

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