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「安心して見れる」ってなんだろう?

最近、エンタメ界隈のレビューでよく見る。
「安心して見れる」
というレビュー。

なんかちょっと違和感がある。

これは、コンプライアンスが厳しくなった最近だから増えたレビューなのか、それとも昔からある表現なのに私がそういう穿った視点で気になっているから目立って見えるだけなのか?

詳しいところはわからないが、どうにも咀嚼できない。

私の中でエンタメ作品を見る目的というのは「非日常」や「ワクワク」であり、「安心」を求めたことはない。
思い当たる原因ですぐ浮かんだのはこれだ。

「子供と見る映画」中での「安心して見れる」なら意味は分かる。
まぁ、それでも映画を選ぶ時点でこれは「安心して見れるだろうか?」なんて考えたことない。コナン映画見て爆発シーンやアクションに一緒にキャッキャして「面白い!」「かっこいい!」「かわいい!」と楽しんでいる。

ただ、日本語の難しくも面白いことで「安心して見れる」が言葉の通りの意味とは限らない。
私が思うに、この「安心して見れる」って「褒めるところがないから優しい人って言われる」みたいな現象と似ている気がする。

言ってみれば「悪いところはない」という意味と同じなのかもしれない。
それを今風に言うと「安心して見れる」なのかも。

とはいえ、やっぱ飲み込めない。
咀嚼して見たけど飲み込めないわ。

やっぱ私の中でエンタメ作品って「作る側」と「受け取る側」のある種のプロレスだと思っているので、良い技を全力で受けたい気持ちがある。
1つの作品の中で自分の好きなポイントがあれば、そこを全力で楽しみたい。
それが全くなくて途中で切ることももちろんある。
全部合わせることはできない。
でも自分にとって不満だったポイントが1つあるからって評価を下げる、みたいな減点方式にすると、面白がりずらい。

⋯⋯だからかもしれない。書いていて少し見えてきた。
「安心して見れる」って減点方式の見方をしていると生まれてくる感じがする。なんか審査してるみたいというか(飽くまで個人的な意見)
「このままじゃ点数無くなっちゃうよ!やばいよ!」
って危機感が出てくる。
だから安心できない。

なんか、もう少しで「安心して見れる」を飲み込めそうな気がする。

やはり、意味合いとしては
「安心して見れる」= 「悪いところがない」「最後まで作品を堪能できる」
がしっくりくる。

理解したところで、このレビューに対して私の見る目をどう変えるのか?

理解する前までは
「なんだこのレビュー。エンタメに安心も何もないだろう」
と違和感を感じていた。

理解した後は⋯⋯、
「悪いところはないなら、自分が見て面白いところ見つけてみたい」
ってしたら良い技を受けられるかもしれない。
そう考えると、「安心して見れる」というレビューはすごく参考になるのかもしれない。
ストレス発散したくてエンタメ作品を楽しみたい場合、絶対にイライラはしたくないし。

つまり、「安心して見れる」ってレビューって、「イライラせずに最後まで見れる作品だよ」って教えてくれているレビューなんだ。視聴者にとって「安心を与えてくれるレビュー」ってことだ。
この辺で飲み込んでおく。

⋯⋯でも、よく考えると当たり前のことか。
捻くれているおかげで、なんか意味のない遠回りをした気がする。
でもスッキリしたから良し!


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