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真珠腫性中耳炎になった話 その1

はじめに

10万人に2〜3人くらいの割合でかかる病気「真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)」になったお話を書きます。※長文です。

10万人に2〜3人が多いのか少ないのかよくわからない数字ですが、ちょっとめずらしい病気にかかりました。

「真珠腫性中耳炎」とは、慢性中耳炎の一種で、鼓膜の一部が鼓膜の内側に入り込み、耳垢などがたまって真珠のような塊ができ、周りの組織を壊して進行してしまう病気です。骨も溶かし、増殖します。
病名に「腫」とついていますが、腫瘍ではありません。
球状に増殖した姿が真珠のように見えるため、この名前がついたそうです。

まずは4回に分けて記事を書く予定です。
「その1」・・・気づきから入院前まで
「その2」・・・手術および入院中のこと
「その3」・・・術後のこと
「番外編」・・・入院時持ち物リスト
再発の可能性もあり、経過観察は必須なので、その後も真珠腫や耳に関する記事は定期的に書いていこうと思っています。

これから書く記事が、同じ病気の方やそのご家族の方、この病気について知りたい方などに少しでもお役に立てれば幸いです。
病気といえど、耳以外はすこぶる元気ですのでご心配なく。


気づいたきっかけ

なんか、左耳から「コーっ」って音がする。
4月のはじめ頃、仕事をやめ、ウキウキしながら旅行していた。
道中、耳の異変に気づいた。

結構な距離を歩いていたときに
左耳から「コーっ」って風みたいな音がした。

他にもお店の店員さんとやり取りする際に
「なんか聞こえにくい」
「自分の声がこもってる気がする」

なんか変だ・・・

町医者にて

旅行から戻ってきて少し耳の状態を観察していた。
歩いている時や、立って料理している時に音がしていることに気づく。
そのまま1週間ほど様子を見ていたが

・・・やっぱり変だ、そろそろ病院行こう!

近所の小さな耳鼻科に向かった。

町医者さん:「鼻すすったりする?」
わたし:「はい」

もともと鼻炎持ちなので、鼻が悪いのは知っていた。
鼻が原因で耳に影響が出ている可能性があると。

そして、聴力検査をして驚いたのが、
聴力検査ってこんなに音小さかったっけ?

聞・こ・え・な・い !

すべての音が聞こえないのではなく、
5秒とか10秒とか何も音がしない空白の時間があり
やばいかも・・・とちょっと思うようになった。

何度検査をやりなおしても結果は変わらない。
町医者さんが怪訝そうな顔をしながら
何か書いていた。

結果左耳に中程度の難聴があると言われた。
そして中耳炎。
難聴が出ているので、CT完備の大きな病院で詳しく調べたほうがいいと言われ、その場で紹介状を書いてくださって、受付の人が翌日の予約まで取ってくれた。

あ、わたしヤバめ?
事の重大さにようやく気づいたのである。

紹介状を持って総合病院へ

朝から問診やら検査やらで
結局1日病院にいて最終的に下された病名が
「真珠腫性中耳炎」。
そして、手術するしか治療法がないこと。
先延ばしにすることもできるけど、いずれは手術はしないといけないという。

まどろっこしい事は嫌いなタイプなので、
即決で「手術します」と断言。
その日のうちに手術日まで決めてしまった。

昨日今日でなったものではなく、おそらくもっと前から発症していたのではないかとお医者さんからご指摘を受ける。
私の場合、鼻すすりでこの病気になった可能性があるとのこと。

この日を境に鼻すすりを一切やめた。

自宅に戻り、「真珠腫性中耳炎」について、ひたすらネット検索。
思い当たる節はないか記憶をたどってみる。

中耳炎について

そもそも熱が出ないタイプで、コロナ禍でも風邪すらひかずピンピンしていた。
中耳炎って高熱が出るイメージだけど、最後に高熱が出たのは20数年前。
そんな前からなのか?どうなんだろう。
やはり鼻すすりが原因で中耳炎になったのか?

鼻すすりについて

家族が死を宣告された病気になり、よく泣いている時期があった。この時にはものすごく鼻をすすっていた気がする。お葬式もずっと鼻水との戦いだった。ここでおそらく悪化した気がする。

自分の声がこもって聞こえる

これに関しては、1年前くらいから自覚症状があった。
こんなもんかな、いつか治るだろうと放置していた。
こもって聞こえることに慣れてしまっている自分がいた。

手術まで1ヶ月

お金のこと

まず、頭をよぎったのは、お金いくらかかるの?
わたし、今、ぷう太郎だよ!?
とにかく自分を落ち着かせるためにお金のことを調べた。
便利な世の中、ネットで検索すればおおよその金額が分かる。

次に調べたのは、高額医療制度のこと。
手術まで時間があり、ぷう太郎で暇だったので役所に行って相談してみることに。
その場で「限度額適用認定証」を発行してくれた。
収入に応じて4つの区分分けがあり、負担額がそれぞれ決まっている模様。
ひと月に支払う金額が決まっており、それ以上の金額は病院の窓口では払わなくてよいとのこと。(※食事代や差額ベッド代、レンタル代は含まれない)

私の場合はこの知識がなく、入院期間が月をまたいでしまい、支払う金額が増えてしまった。確定申告で少しでも戻ってこないかな(汗)

そして、加入している医療保険も調べた。
そもそも中耳炎で保険がおりるのか不明だった。
点数で決まるみたいで、やはり手術となると点数もそれなりになる模様。
おおよその金額が分かって一安心。

入院準備

生まれてはじめての入院と手術。
何が必要なのかさっぱりわからない。
病院から渡された入院の手引き的なものを見たり
ネットで情報を集めたり。
パジャマやタオルも持っていこうとしたけど
ものすごくかさばるし、もう、夜逃げスタイルw
それに、家族に洗濯物回収をお願いしないといけない。
パジャマとタオルはレンタルにすることに。
入院時の持ち物リストは別記事(番外編)にて紹介する予定。

点耳がはじまる

点耳とは、耳にさすお薬のこと。
真珠腫を柔らかくするために、手術まで点耳をさす生活が始まった。
「耳浴(じよく)」といって点耳薬を人肌で温めてから横になって10分くらい耳の中に液体のお薬を入れるというもの。
なぜ手で温めるかというと冷たいまま点耳薬をさすと、めまいを起こすことがあるそう。耳ってデリケートなのね。

耳浴は、真珠がお風呂に浸かってるイメージ?勝手に妄想していた(笑)

真珠さま、お紅茶の時間ですよ

ただ、点耳をはじめてから耳鳴りがするようになった。セミのような虫の音のような「ジー」という音が鳴っている。春だけど、左耳だけ「常夏」と思うようにした。

「聞こえ」の部分にも変化があり耳を塞ぎたくなる「苦手な音」の存在が明らかになる。交通量の多い道や救急車の音など。

日に日に悪くなっている気がする。早く手術したい。

術前検査

「術前検査」とは、手術や麻酔に耐えられる体かどうか調べるもの。

まずは採血。6本も取った。
血液で体の状態が色々わかるんでしょうね。
採血の際、蝶々の羽のような見慣れない器具を使っていた。
腕に蝶々が止まっているみたいで、面白くてずっと見ていた。
その名も「蝶々針」。作った人、天才!
心電図やらレントゲンやら健康診断みたいな流れだった。

アレルギー検査の結果、ハウスダスト系のみ偽陽性。
他は陰性。まだ花粉症ではないことに驚き。
もともと健康優良児なので、特になにも言われなかった。

さあ、いよいよ決戦の時!真珠さまとおさらばする。

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