あんときのデジカメ 昭和の喫茶店「ゴッゴ」で味わうナポリタン with 富士フイルム Finepix F810
(はじめに)最近、讃岐の喫茶店をよく利用しています。個人経営のお店は、スターバックスコーヒーとは違う良さがありますね。今回は、2004年の富士フイルム Finepix F810を手にして、善通寺市の「ゴッコ」を訪れました。昭和レトロのお店で味わうナポリタンは格別でした。
サーヴィスする側から見れば、コーヒーひとつ出すのだって相当にむずかしいのである。
東京に居た時分、重宝したのが駅前のチェーン店のカフェです。いわゆるスターバックスコーヒーとかドトール、あるいはエクセルシオールカフェといった類いのお店です。あ、そういえばエクセルシオールカフェは単立ではなくドトールからスピンオフしたカフェみたいですね。先程はじめて知りました。
重宝した理由というのは、電車の乗り換えや待ち合わせのちょっとした空き時間に涼を取るためやその逆、あるいは一服しようと思った時に便利だからでした。珈琲を飲んでやるぞ!といった意気込みや目的での利用ではないときにこそ、こうしたチェーン店だと気兼ねなく利用しやすいとでも言えばいいでしょうか。
惰性のような利用にもっともふさわしいのがチェーン店のカフェではないかと僕は経験的に考えています。
さて讃岐へ戻ってからは、もちろん、こうしたチェーン店のカフェがないわけではないのですが、やはり田舎ですからまばらです。そうすると当然、(どういう言葉を選べばよいのか悩みますが)独立店舗とでも言えばいいでしょうか……、個人経営のカフェや喫茶店を選択せざるを得なくなってしまいます。そうすると当然「珈琲を飲むぞ!」と気負って行かねばならず、それがちょっと困ったことになっています。
これまでは、「珈琲飲むぞ!」という目的ではなく利用していたのに対して、今では「珈琲を飲むぞ」という目的で訪問しなければならないというのは、ライフスタイルの180度転換ということになりますからね。まあ、どうでもいいと言えばそれまでですが、どうもこういうところにこだわってしまうのが僕の悪い癖です。
サーヴィスする側から見れば、コーヒーひとつ出すのだって相当にむずかしいのである。コーヒーというのは熱くしすぎるとおいしくないし、かといって冷めるとまずい。だから中くらいの温度で持っていくのだが、そこにコーヒー・クリームを入れるか入れないかで温度がまたかわってしまう。
(出典)村上春樹「サーヴィス業あれこれ」、村上春樹『村上朝日堂 はいほー』新潮文庫、平成四年、74頁。
「コーヒー&スパゲティの店 ゴッコ」(香川県善通寺市)
さて……。
讃岐へ戻ってから、噂に聞いてい喫茶店が「コーヒー&スパゲティの店 ゴッコ」さん(香川県善通寺市)です。
「とにかく、スパゲッティが美味しいから、行ってみな」
というわけで、市立図書館へ図書を返却する帰路でぶらりと立ち寄ってみました。JR善通寺駅(土讃線)を背にして西へ歩き、市民会館あたりの交差点からちょっと路地裏を行くと現れる喫茶店です。
なんと言えばいいのでしょうか……。
「The 昭和」とでも言うべきレトロな喫茶店です。
遅い昼過ぎでしたので、お店は混雑しておらず、夏休みを楽しむ高校生の談笑と友達と連れ立ったおばあさんの世間話が、なんともいえないBGMで、それが令和なのに「昭和」という雰囲気と絶妙に混じり合っていました。
職場の人から教わったように、「玉子入りのナポリタン」とコーヒーをセットで注文し、待つことしばしばし。現れたのは、鉄板のうえでとぐろを巻くナポリタンがドーンという具合です。熱々の鉄板の上にたまごがカリカリに焼かれてい、その上にナポリタンという寸法です。やや甘めの味付けも「The 昭和」という感じですが、その味付けに絡み合うやや太めのパスタはいい具合にフワッフワ。この妙技が、なんとも懐かしい味わいを醸し出しています。
あとを引く味わいと言いますか、また来たくなる味わいに「ごちそうさまでしたー」。
ご飯もののメニューも多く、また報告しようと思いますが、お近くにお立ち寄りの際は、ぜひ、訪れてほしいと思います。
コーヒー&スパゲティの店 ゴッコ
香川県善通寺市上吉田町3-1-29
8時-17時30分 定休日 日曜
KLASSEを彷彿させるザ・ハイエンドコンパクトデジタルカメラ
今回の昭和レトロ喫茶の旅と相棒は、2004年に発売された富士フイルムのFinePix F810です。ちょうど15年前のコンパクトデジタルカメラになりますが、バッテリーが元気であれば、本機に限らず、オールドデジタルカメラもだいたい動きます。そうしたレトロデジタルカメラのなかでも、ベスト3にはランクインする程度に大好きなのがFinePix F810です。
あまり考えずに手に入れたデジタルカメラですが、KLASSEを彷彿させるような横長金属ボディが僕の好みであり、「ザ・ハイエンドコンパクトデジタルカメラ」と称してよいほどの撮影機能の充実ぶりが、ベスト3にランクインさせる理由です。
では、簡単にスペックを紹介します。撮像素子は、総画素数663万画素1/1.7型スーパーCCDハニカムHR(原色フィルター)、レンズは、35mmフィルムカメラ換算で32.5mm-130mmの4倍光学ズーム(WIDE時:35.5mm-142mm相当)になります。当時のコンデジのワイド端が、リコーなどを除くと、だいたい35-38mm相当なので、28mmワイドではありませんが、非常にワイド撮影にも攻めやすい画角です。マニュアル系の撮影機能も充実しており、絞り優先AEやマニュアル露出もできればシーンモードも搭載されており、機能はてんこ盛り状態です。カメラの質感のよさを紹介しましたが、ジョグダイヤルやボタンの類いも非常にレスポンスがよく、カメラとしての完成度の高さを感じます。
以下、作例です。拙い写真ですが、ご笑覧下さればと思います。
ということで撮影データ。プログラム撮影、ISO100、露出補正なし、ホワイトバランスオート。画像は4048×3040で保存。撮影は8月21日。撮影場所は香川県善通寺市。