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一日一頁:筒井清輝『人権と国家 理念の力と国際政治の現実』岩波新書、2022年。
読み終えた。
時間がなくても1日1頁でも読まないことには進まない。
「人権力」ということばに注視したい。
国際社会は経済力や軍事力が幅を利かせる世界であり、これからもその住う妖精は変わらないであろう。その中で「人権力」が持つ影響力はまだ微々たるものかもしれない。しかし、100年前の国際政治ではほぼ無意味であった「人権力」が、今では誰しも無視できない要因の一つとなっている。さらに、これまでは主に政治での議論であった人権が、近年は国際経済でも環境問題やガバナンスなどとともに重要な論点となっており、ESG投資やSDGsなどの形で日本のビジネスの世界でも大きな注目を浴びてきている。軍事力で世界をリードしようという志向の薄い日本だからこそ、経済力を立て直した上で、「人権力」で世界の先頭に立って、国際人権の発展に貢献するというのはこれからの日本にとって大事な指針の一つになりうるのではないだろうか。
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