「高齢・人口減社会における過疎地での包括ケア体制のあり方」への一つの提案
「高齢・人口減社会における過疎地での包括ケア体制のあり方」をテーマとする10月5日に開催された第64回国保地域医療学会のアブストラクトが『国保新聞』2024年11月1日付に掲載されていました。
「国保直診に求められる役割とデジタル化の推進が焦点」となり、事例発表がありましたが、目を引くのは、「栄養リハビリに課題 地域でまちづくりを」という松田晋哉・産業医大教授の「特別発言」です。
曰く、
・地域の高齢者は低栄養が大きな問題になっている。地域の栄養状態をどう高くするかという課題がでる。
→ヨーロッパの施設のように、病院や介護施設の中に地域の高齢者が食事をすることができるようなものを作っていかなければいけない。
・日常生活の中で高齢者が行く場所を作れないと、リハビリテーションの効果も上がらない。
→実生活がリハビリテーションになるようなまちづくりをやっていかなければいけない。
デイサービスで高齢者の方と接する毎日ですが、お年寄りさんの栄養摂取には本当に気になります。夏場は食欲減が著しく、おやつや主食の差し替え(ご飯ではなくパンや麺類への変更)やで対応したりしていますが、デイの利用者さんも独居の方が多くほぼほぼ宅配弁当で在宅を済ませている方が多く、本当に訪問介護の生活援助の組み合わせなど工夫を提案したりしています。
また、日常生活のなかでの居場所は、多世代交流のこども食堂との関わりのなかで、そちらへの案内をすることで、こどもさんとの触れ合いのなかで、お互いに元気になっていくよう取り組んでいます。介護保険を利用していないお年寄りさんの居場所にもなっています。
しかし、ほんとうに、民間の活力だけでは限界も感じています。
国や地方が変わっていくように後押ししていくことで、地域でこどもさんからお年寄りまで自分らしく生き続けていける社会を作っていけるよう、これまで以上に努力してまいります。