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【11】面白い話:名工「左甚五郎」の左という苗字に隠された謎?

 日光東照宮の眠り猫などで有名な左甚五郎さんは名工として知られ、落語や講談などでも多く取り上げられる江戸初期の伝説的な彫刻職人です。
 私は子供のころ左甚五郎伝とかいうような本を読んでこの人のことを知りました。
 さて、この甚五郎さんの苗字の「左」なのですが、当時は士農工商の武士以外は苗字を持たなかったわけですが、私の読んだ本では確か将軍家から東照宮の造営などの際にその技量が優れ功があったことを賞し、天下一の名工であるとして、苗字・帯刀を許され、その際左という苗字を賜わったと書かれていたような記憶があります。
 しかしなぜ「左」という苗字になったかは甚五郎が左利きだったから位しか書かれておらず、なんとなく腑に落ちない気がしていました。
 それがあるときふと「アアそうなのか!」と判ってしまったのです。それに気付いたときは嬉しかったですね。
 といってもこれが今まで誰も気付いた人がいない新説なのかどうかは解らないのでウィキで調べてみました。
 すると、なぜ「左」なのかは定説は無く、今までも関心を持った人が多かったようで下記のような諸説が記載されていました。
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 姓の「左」の由来には諸説ある[2]。江戸時代、腕利きの大工の代表として「大和大工に飛騨匠」と称されており「飛騨の甚五郎」が訛ったものとする説がある[2]。別の一説によると左利きだったからという説がある[2]。講談では地元の大工に腕の良さを妬まれて右腕を切り落とされたため、また、左利きであったために左という姓を名乗ったという。そのほか、16歳の時に多武峯十三塔その他を建立し、その時の天下人に「見事である。昔より右に出る者はいない。」「それでは甚五郎は左である。」「左を号すべし。」と言わしめた。そのお達しにより、位(号)として“左”を名乗ったともいわれている。
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 他にも下記のような一部上と重複する諸説が見つかりました。
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「昔より右に出る者はいない。」「それでは甚五郎は左である。」「左を号すべし。」との仰せをつかり”左”を名のるようになったといわれています。他にも、特別な「”左”官」だったから、左利きだったから、嫉妬した大工仲間に右腕を落とされ左腕のみで彫ったから、飛騨出身だったから(ひだ→ひだの)、大酒飲みで「左党」だったから…
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 私の説はそのいずれにも記載されていませんでした。

 私は何かの際に左という字を見たときに、ふと、
 「左」の文字を分解すると「一」「ノ」「工」から成っているではないか。
と気付いたのです。
 
そして、
 アッ、ということは左甚五郎の左は「一の工(匠)」と言っているのではないか!

と閃いたのです。
 これ、中々美しくて魅力的な説だと思いませんか。
 
 まあこの説が本当だなどと主張するつもりもありませんし、この説も甚五郎の時代以来400年を超える中で気付いた人が誰もいなかったわけなど無いと思っているのですが、私もどこかに書いてあったのを自分で気づいたみたいに勘違いしているのかと思って甚五郎伝を探し出して読み直してみたが書かれていなかったこと、そして今度また新たにネットで色々調べた範囲では一のタクミ説に触れたものはなかったので、ここに載せてみることにしました。
 面白いなと思って話のタネにしてくれたら嬉しいです。

 ところで、従来の所説の中の「右に出る者はいないから甚五郎は左である。」という話は一読したときはなるほどと思ったのですが、なんかちょっと変だなあと引っかかる感じが残ったので、もう一度考え直してみたらやっぱり変だ思うのですが、そう思うのは私だけなのでしょうか?
 だって、右に出る者がいないというのは、右から偉い順に並ぶから、それより右に並ぶものはいない一番右端の人が一番偉いというという意味です。 
 甚五郎が左に並んだら他は全部右に並ぶわけで、甚五郎は最下位という序列になってしまうのではないでしょうか?
 誰か説明できる人いるのかな?

*甚五郎さんが出てくる落語で好きな話があります。あらすじ版のリンクを載せておきます。 
【新企画】6分でわかる名作落語:第5回「ねずみ」~左甚五郎の神技!~ - YouTube

 余裕があるときは本当の落語を聞くのもいいですね。30分くらいかかります。
(362) 桂三木助 ねずみ・音声のみ - YouTube
この落語にも左姓について触れていますが「一のタクミ」説はやはり出てきませんでした。

左甚五郎の話いかがでしたか?
面白かった方は下の記事も読んでくださいね。
【7】ちょっとまじめな古代史の話-1   「大和」と書いてなんと読む?|宇治海鳳:すべての美しいもの、笑えるものに目がないあなたへ|note

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