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【264】山下達郎「クリスマスイブ」はハッピーエンド?アンハッピーエンド? それとクリスマスイブの小話 2024.12.24
1「里穂が待つ 駅はもうすぐ 雪のイブ」 海鳳
クリスマスイブですね。
イブと言ったらやはり山下達郎さんの「クリスマスイブ」、そしてJR東海クリスマスエクスプレスのCMシリーズです。
どれもよかったけど、中でも牧瀬里穂さんのバージョンが僕は一番好きでした。
こんな可愛くて純な女の子が待っていてくれたならどんなに嬉しいだろうと、今でも見るたびに胸がきゅんとします。
2 クリスマスイブはハッピー・アンハッピーエンド?
ところでこのクリスマスイブの全曲が下です。
これを聴くと、不思議なことに、最初から最後まで「きっと君は来ない」ままで終わってしまうのです。
けれど僕たちは大多数が、でも、きっと最後には君は来るんだ、ハッピーエンドで終わるんだと信じてしまっているのです。
でもそれはCMの影響による思い違いなのです。
すごく不思議な現象ですね。
もし、このCMがなかったら、この曲はこんな不滅な名曲とはなっていなかったのじゃないかと思うのです。
運命って不思議ですね。
達郎さんはハッピー・アンハッピーのどちらのつもりでこの曲を作ったのか?
そしてこの曲をこのCMに起用した人は、この曲をどう理解したのでしょう?
アンハッピーを意図していた場合、達郎さんはCMによる誤解をどう捉えていたのでしょう?
その間の事情を知っている人がいたら教えて欲しく思います。
3 クリスマスイブのSF
イブのたびに思いだす昔読んだSFショートショートがあります。
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地球の周りを無数のUFOが取り巻いていました。
「地球程野蛮な星はない。仲間同士憎しみあい、裏切り、喧嘩をし、殺し合ってばかりいる。」
「こんな星は今のうちに抹殺すべきである。」
となって、多数のUFOが地球の上空に大挙してやってきていたのでした。 「ほんとうに地球が抹殺すべき星なのか、最後にもう一度確認してみよう」
と一台のUFOが姿を消して地表近くまで降りて偵察飛行をしたのです。
するとどうでしょう。
街は綺麗に清められ、美しく飾り付けられ、歌声が溢れ、人々はプレゼントを交換し幸せそうに笑い合っていたのです。
偵察艇の宇宙人は「聞いてきた話と全然違う。こんなに美しく平和な星は見たことがない」と感動しつつ帰ってゆき、地球抹殺は未然に防がれたのでした。
その頃、地表ではある男が
「全くクリスマスなんて面倒くさい、こんなものが一体何の役に立つってんだ。」
というと、すぐに隣の男が
「罰当たりをいうんじゃない。どこかできっと役になっているんだよ。」と打ち消し、
「それもそうだな」 と笑い合ったのでした。
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突っ込みどころ満載の甘いお話ですが、ほんとうに世界中のいさかいや争いが無くなって欲しいと願う今日この頃です。
Merry Christmas!
4 補足:凄い記事を見つけてしまった!
今日は2025年1月2日です。
自分のNOTEを見直していて、牧瀬里穂さんについてもう少し知りたくなって調べていたら、このクリスマスエクスプレスのCMについて書いた記事が見つかったのです。
このCMの持ついくつもの謎について、掘り下げ方が研究レベルの凄さなのです。
里穂さんが待つこの駅は一体何処だったのか?
彼女は何故こんなにも急いでいるのか?
対照的に、彼が全く急いでいる様子を見せていないのはなぜなのか?
何故里穂さんは柱の陰に隠れたのか?
大事に抱えたプレゼントはいったい何だったのだろう?
・・・・・・
これらの謎を解明してゆく、洞察力、推理力、行動力には感動しました。
尊敬を込めて紹介させていただきます。こんな方もいらっしゃるのですね。
5 さらに補足
山下達郎さんはこの曲がハッピーエンドに終わるCMに使われることを知っていたのだろうか?
もしかして、この曲はこのクリスマスエクスプレスのCMに宛てて書いたのだろうか?
という疑問が気になっていて、さらに調べてみました。そういたら下の記事が見つかりました。
これによると、クリスマスイブがアルバムの中の1曲としてリリースされたのは1983年であり、JR東海のCMは1988年と5年も後のことなので、CMに宛書きしたものではなかったことがわかりました。
CMをつくる際の企画コンテの段階ではまだ楽曲は決まっていおらず、ストーリーボードには当初「クリスマス・音楽」としか書いていなかったのですが、
そこに、「このクリスマス・エクスプレスの音楽を”ゼッタイ山下達郎さんのクリスマスイブにしよう”」と、”ゼッタイ”のところにアンダーラインが引いて書き込んだフィルム・ディレクターであった早川和良さんの強いプッシュがあり、数年も前に発表された楽曲が使われるという異例の選曲になったのでした。
となると、元々のクリスマスイブの中に最後にハッピーエンドに変わるとということを達郎さんがどのように考えていたかは謎のままということになります。ご本人にやはり聴いてみたいものですね。