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私の好きな本の話

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子供の頃の家には明治大正昭和の本が全く区別なく、ちょっとした古本屋さん並みにノンジャンルに積まれていました。僕は小学校に入る前からそんな本を戦前も戦後も全く知らずに、手当たり次第…
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記事一覧

【273】本の話「小公女」2025.2.15

1「小公女: A LITTLE PRINCESS」福音館古典童話シリーズ41 高楼方子 訳 先日、図書館に行…

【245】天盆(王城夕紀)とイステージア(中島みゆき) 2024.9.27

1 謎の曲 イステージア(中島みゆき) 中島みゆきさんにイステージア(EASTASIA)という…

【242】本の話:「青の刀匠」天沢夏月さん 2024.9.22

 先日、図書館で借りた「青の刀匠」という本読み切りました。  この本はジャンルで言うとヤ…

【238】本の話:誉田哲也さん「武士道ジェネレーション」2024.9.1

 この本は誉田哲也さんの「武士道シックスティーン」「武士道セブンティーン」「武士道エイテ…

【237】本の話「烏の緑羽」「銀色のステイヤー」

最近図書館から借りて読んだ本から2冊紹介します。 1「烏の緑羽」最初に「烏の緑羽」 知る人…

「傲然と墜るもの」鈴木しづ子抄 海皇宗治

カンナ俳句会「今月の一句」 私の所属しているささやかな俳句結社「カンナ俳句会」は熱心に俳…

花あやめくぐもり咲きてなほ咲きぬ「攝津幸彦選集」:私ならこうしてベストセラーにする! 海皇宗治

お断り最初に断っておきますが、このお話はフィクションです。 私の所属するささやかな俳句結社カンナ俳句会では毎月機関誌を発行しており、その巻頭で会長兼編集長が、<今月の一句>ということで、一人の俳人と代表句について紹介をすることが恒例になっています。 当時の名物編集長麦處さんがその月取り上げたのが攝津幸彦さんでした。 それを読んで麦處さんのところに行って、「妙な俳句を書く方ですねえ。」と感想を述べたら、「そうでしょ、面白いでしょ。じゃ、これ読みますか。」 と押し付けられた、も

海の不思議 不思議の海 :海皇宗治

今からするお話は僕が実際に遭遇したほんとうに本当の話です。 もしかしたら僕はあの時、一生…

【223】本の話「わかりやすい恋」銀色夏生さん 2024.6.27

 友人とメールで大正浪漫の話をしていたら、なぜかふと銀色夏生さんの「わかりやすい恋」のこ…

【220】本の話:増田俊也さん「七帝柔道記」面白すぎて一気読みしてしまった格闘技好…

1 七帝柔道記 図書館というのは本当に有難い。  図書館で何か面白い本がないかと探してい…

【209】巨人:山本周五郎「樅の木は残った」をMMC SUKOYAKAさんの朗読で聞く

1 朗読を聴く楽しみ 以前、家から会社まで約60kmを車で通勤していたことがあります。  …

【181】本の話:風野真知雄さん「わるじい慈剣帖」の謎!そして記憶力の低下について…

 寄る年波のせいなのでしょうか。記憶力が低下する一方の毎日ですが、先日それを痛感する出来…

【171】本の話:「折れた竜骨」米澤穂信さん 2023.10.15

 米澤穂信さんは「氷菓」のシリーズ、「春季限定いちごタルト事件」の2本のシリーズがすごく…

【170】サイカチ(皂莢、梍)の木 2023.11.13

1 賢治さんの「さいかち淵」 宮沢賢治さんの「さいかち淵」という作品を読んだことはありますか? 昔、花巻市を流れる豊沢川にあった淵で、子供たちが集まって水遊びをする絶好の遊び場だったようで、その縁に大きなさいかちの木があったのでこの名前が付けられたそうです。 未発表の村童スケッチと言われる作品群のひとつで、さいかち淵で遊ぶ村童たちの姿が生き生きと描かれています。 有名な「風の又三郎」の中には、村童スケッチの中の「さいかち淵」と「種山が原」がほとんどそのまま使われており、さいか