
新人育成0日目|スタートラインに立つための準備
新人育成を始めるにあたって、いきなり実践に移るのではなく、基礎を築くための準備が重要だと感じました。
特に新人Tさんの育成では、課題の整理と教育の方針を明確にし、それに基づいて必要な教材を準備することが欠かせないと考えました。この記事では、新人教育の「0日目」として、教育準備のプロセスや教材選びのポイントについて記録しています。これから新人育成を考えている方々にとって、何かヒントになれば幸いです。
まずどのような教材を元に新人Tさんを教育をするか・・・
タスク管理についてまず思い出したのは、これまで自分も20代でタスク管理が完璧だったかというと、なかなかうまくいかないという中で、その頃に読んだ本が
「先読み力」で人を動かす ~リーダーのためのプロアクティブ・マネジメント~
という本でした。
その時に自分なりにそこに書いてあることをやってみて、先読み力とはどういうものなのかを教えてもらい、ちょうどオフィスにこの本がまだ残っていたので、この本をまずはTさんに読んでもらいながら、実践をしてもらうことにしました。 そしてこの本が古いということもあり、最近の本の中からも良い本があればTさんに渡せないかと思い、土日のうちに、私がよく行く本屋に行って探してみることとしました。
1.「先読み力」の内容と活用法
本書ではまず、本人で予定を立て、そして実績を都度書き、それを短い時間でもよいので上司がチェックするというサイクルを回し、タスク管理能力を増強していくというものです。本人の予定と実績を見て、実績では予定よりも短く終わったら赤で囲む、予定にない仕事をしたら青で囲んでもらいます。そして予定通りにいかなかった理由を自分なりに考察し、それを上司に報告するという進め方をします。
予定と実績は本書に付録でついている予実表に手書きで書いていくというものです。考察をする際に赤で囲まれたタスクが多いとプロアクティブ(能動的)に仕事を進められ、青で囲まれたタスクが多いとリアクティブ(受身的)に仕事を進めているということになります。
そして青で囲まれたタスクをなくすには、関連メンバーの動きを読んで、いつ依頼がくると読んでおくか、さらには質問が来ないように事前に十分な情報を提供しておくなどの対応をすることになります。これにより先の予定を、自分でコントロールできるようになるという内容です。
私自身はこの本に出会って実践をして以降、そのような本に出会えていないので(あえて探していないところもあって)、折角であればまずはこの本の内容にそって実施してみようということになりました。本書は古いのですが、以下の本となります。今も似たような本があれば、それを紹介したいのですが、古くてすみません。。。
2.実践への準備|予定表を作成してみる
本書に沿って、まずは新人Tさんには以下のように予定を立ててもらうことにしました。
・1週間の月曜日〜金曜日の大まかな予定とイベント(社内レビューや顧客報告等のマイルストーン)を記載する。
・さらに1週間の月曜日〜金曜日の30分ごとに区切られた予定表の中で予定を立てる。(例:9:00〜9:30はメール返信等)
・翌週と翌々週はいつからいつまで何をやるのかという線を引く。(大まかな予定)
このような予定は土日とか月曜日の朝とか書く方が良いらしく、金曜日の夜に書いてしまうと、気分が乗っているので盛って書いてしまうため、まずは土日で本を読みながら月曜日の朝などにちょっと書いてみて、というところからスタートをしました。
3.これからの教育方針
あとはよく行く本屋に行って、
・タスク管理をするための本(先読み力、以外にも何かないかということで)
・相手の気持ちを考えながらコミュニケーションをするための本
・正しいビジネス文章でコミュニケーションをするための本
がまずは直近でTさんに読んでもらう本であろう、ということで、立ち読みをしながら良いかなと思った本を購入することにしました。
まずタスク管理をするための本としては
「時間術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。
という本がまず目に入りました。目を通してみると、私自身も過去に読みながらなるほどと思いながら学んだ、70%でまずはチェックしてもらう、などの仕事のやり方が詰まった本だったので、まずはこれを読んでもらおう、ということでこれを購入することにしました。
そして次に日々、新人Tさんの書く日本語を見ていて、もっと正確な日本語を書かないと関係メンバーに正しい言葉が伝わっていないと感じていたことや、句読点がない文章を書く、主語がない文章などを書き、それが読みにくさや正しく伝えたいことを伝えられていないということを感じていて、
・ビジネス文章力の基本 ダメ出しされない文書が書ける77のルール
という本を手に取りながら、読んでみました。まさに読点や句点の付け方、なども書かれていて、まさにこの新人Tさんの不足する部分なので、学んでもらうにはよい本かなと思い、購入してTさんに渡しました。
最後はコミュニケーションするときに自分の言いたいことだけをTさんは言っているなという点が気になっていました。これを言ったら、相手がどう思うのか、そしてどんな返信が返ってくるか。このような考えを巡らせながら、コミュニケーションを取れるようになってもらいたいと思いながら探していて、
・「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策
という本が目に入りました。そして帯には「言い方」ではなく「心の読み方」と書いてあり、パラパラとめくりながら、まさにこれが必要な能力ではないかなと思って、これを教育教材の3冊目として選びました。
4.おわりに|0日目の準備から始める育成の第一歩
まず1冊目を金曜日のうちに渡してタスク管理を行えるようにしつつ、土日で購入した3冊の本を順次提供して、読んでもらいながら、さらに実践に活かしていく。
これが0日目の対応となります。この新人育成の「0日目」は、教育を効果的に進めるための土台づくりの時間でした。タスク管理、ビジネス文章、コミュニケーションのスキル向上に向けた教材を準備し、それを実務にどう活かすかを考えるプロセスを検討しました。
次回からは、実際の教育1日目の内容に移り、試行錯誤の中で得た気づきや改善点を記録していきます。この取り組みが、Tさんの成長だけでなく、同じ課題に直面する他の方々の参考になれば幸いです。