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uisan4869/小説
2020年10月19日 08:00
もうどれくらい経っただろうか。暗闇だけが包むこの空間に潜むそれは、紅の瞳を輝かせこちらをじっと見つめてくる。目を離すことなくじっとこちらを。身体は動かない。なのに震えだけは一向に止む気配はない。俺はそれと目を合わせないように身体を縮こませ、その瞳がいつ過ぎ去るのもわからないまま、じっとその時を待っている。あれの正体は未だわからない。家で寝ていただけなのに、いつの間にかこんな暗闇の空間にいて