【映画感想】ジョニデ主演のオカルトホラー「ナインス・ゲート」(1999)|監督:ロマン・ポランスキー
家のパソコンを使ってU-NEXTで視聴しました。
「このミステリーがすごい!(2023)」で漫画家の荒木飛呂彦の対談集の中で紹介されていたいくつかの映画作品から見つけてきたのがきっかけです。
オカルトな雰囲気とサスペンスが織りなす中でジョニーデップの魅力が伝わる良作でした。
あらすじ
ジョニーデップ演じるディーン・コルソは世界中の希少本を探す本の探偵。
とある富豪から依頼を受けたコルソは、世界に三冊しかないという伝説の悪魔祈祷書を探して旅をしていくが、ニューヨークからスペイン、ポルトガルと旅を続けていくうちに、彼の周りでは不可解な殺人が起こり始める。
悪魔祈祷書と関わった人物は誰もが不可解な死に追い込まれ、コルソの周囲にも奇妙な人物たちが姿を現し始める。
また、様々な人物たちが狙う悪魔祈祷書には9つの版画からなる謎が隠されており、三冊の本を集めていくうちに、コルソは段々とその秘密に気づき始めていく。
感想
まず、雰囲気がとても好きな作品でした。
世界に三冊しかないという悪魔祈祷書というミステリアスなテーマと、本を集めるという目的が達成に近づくにつれて起こっていく不可解な殺人。
主人公のコルソは、『不気味で不可思議な事件』と『どこからともなく現れる謎の女』に翻弄されつつも旅をしていくという展開はオカルトやサスペンス作品が好きな人にはたまらないと思います。
そして、これは「このミステリがすごい!」でも少し言及されていましたが、この映画の最も魅力的な要素のひとつは旅情が素晴らしいことです。
ニューヨークをスタート地点に物語は始まりますが、スペインやポルトガルなど、主人公は様々な場所に旅をしていきます。
当然、旅をしているわけですから、乗り物に乗ったり、宿に宿泊したり、服装が変わったり食事をしたり……その土地の人に必ず出会うというのもポイントです。
その光景には飽きがなく、乗り物を例に挙げれば、電車、赤いスポーツカー、バイク、飛行機に乗ることもあります。当然、街中を走ることもあれば、田舎の砂利道を走ることもあるわけです。
自分はジョニデが着ている服装が格好いいなと思ってずっと気になって見ていました。外国の人が着ている服や時計はどうしてああも様になるのか不思議ですね(笑)
この映像にはまるで自分が旅をしているかのような臨場感があり、二時間の映像作品として十分な満足感があります。主人公が謎を解き明かしていく展開にはワクワク感があり、その背景にしっかりとした旅路があることでより物語に没入できる良さがありました。
終始謎めいた雰囲気の展開は続いていき、サスペンスとオカルトを含んだ展開には飽きることなく最後まで視聴できました。
一見、難解とまで言わなくとも、オカルトの謎めいた展開に疑問を感じる人もいるかもしれませんが、実際のところ内容自体はとてもわかりやすく、ジョニーデップの演技を見るだけでも楽しめる作品だと思いました。
少しでも興味があれば誰でも楽しめる作品だと思いますが、途中に冒頭近くと最後にエロシーンがあるので、家族で見る場合などは少し注意が必要かもしれません。
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