あのときあたしが欲しかったものは間違いなくあなたでした
私がspeenaと出会ったのは11歳の頃。『ビューティーセブン』というドラマのタイアップ曲「ジレンマ」で知った。
子供ながらに「あの時あたしが欲しかったものは間違いなくあなたでした」のフレーズに心を惹かれた。あの頃はこのフレーズの意味をきちんと理解していたわけではないけれど、当時3年間片想いしてる好きな人がいて、子供なりに「好きな人と両想いになりたい」と思っていた。
それからspeenaを聴くようになり、私の青春の傍にはいつもspeenaがいた。学生の頃は今みたいに気軽にライブに行くことも出来ず、聴きたい曲があればTSUTAYAでCDを借りてはMDに落とし、何度も何度も聴き込んだ。
中学のときも、高校のときも、私の恋愛の傍にはspeenaがいた。高校生のころには「あのときあたしが欲しかったものは間違いなくあなたでした」の意味を痛感していた。
惜しくも2007年、speenaは活動休止してしまった。生で曲を聴きたかった、ライブを観ることも叶わなかった。
それから大学生、社会人となってもspeenaは時折私の人生の傍にあって、心の支えになってくれたり、綺麗な思い出として彩ってくれた。恋愛したり、失恋したり、死にたくなったり、生きたくなったり、人生の折々の色んな感情に寄り添ってくれた。
一昨年、speenaのボーカル・カナコがソロ名義で活動を始めた。まさかまた新しいカナコの歌声が聴けると思っていなかった。カナコspeena(ソロ名義)の曲もとても素敵な楽曲で私はすぐに好きになった。
そして、今日。カナコspeenaの復活ライブが2年越しに行われた。
てっきりカナコspeenaの曲をやるんだろうと思っていたのだけど、speenaの曲もやってくれて、私の涙腺は見事に崩壊。下まぶたのメイクしなけりゃよかった。
短い時間だったけど、とても充実感のあるライブだった。生きてるうちに生でカナコの声が聴けると思っていなかった。あの時、死ななくて良かったねって昔の私に伝えたい。
ライブ後、物販コーナーでカナコと話す機会があったのだけれど、人見知りオタクフル発揮して伝えたいことの1ミクロンも伝えられなかった。
もっともっと言いたいことあったのに。
唯一、ちゃんと言えたことは「とてもいい胎教になりました、これからも沢山聴きます!」って。いや、腹の中のクリーチャーの話かよ!でもカナコは優しくお腹を撫でてくれて、「楽しみにしてる」って言ってくれた。あー、推しに一瞬でも認知される喜び。
人生でも忘れられない一日を過ごした、今日の話。