ご恵贈感謝:『トルクメン語会話帳[改訂版] Türkmençe Gepleşik Kitapçasy』
昨日ご郵送にて、共著者の奥真裕先生よりご恵贈賜りました。トルクメン語教科書の改訂版とのこと。
外大オープンアカデミーでもトルクメン語講座が開講されているようですが、そのあたりでのフィードバックを活かされたというところでしょうか。改訂版では音声ファイルが追加されたようです。これは大きいですよね。自分も語学書の作成にはかかわったことのある身ですので、なおさらそう思います。
先日、私自身も共著でアゼルバイジャン語の語学教材を作ったばかりですが、献本した方のうち少なくない方々から音声資料は必須でしょうというしごく当然のご注文をいただいたことでした。いやもう、それはまったくその通りなのでありまして…
私が先日作成に関わったアゼルバイジャン語テキストは2冊。そのうち1冊分しか音声ファイルの用意はないのです。本当なら、より自分が時間を割いた文法解説のほうにも音声ファイルが欲しいということはあるのですがね。
これについては、別途なんとかするしかないかなあと考えています。予算をどこかで獲得する日があれば、ということで…
さて、話をトルクメン語に戻しましょう。テュルク諸語も数多ありますが、それら一つ一つの解像度が、ここ数年語学書の相次ぐ公刊によってかなり上がってきているなという実感があります。
トルコ語はもちろんですが、同系統の言語であるウズベク語はもちろんのこと、ウイグル語、タタール語、キルギス語、そしてトルクメン語…いつごろだったか、これらテュルク諸語が「似ている」ことを過度に強調する言説には注意しましょうという趣旨の雑文を書いたこともありましたが、
違いを強調しすぎるのももちろん問題なわけです。
自分の関心ごとというか意識していることというのは、似ている部分と違う部分の細かいところをできるだけ精密に理解しようとする姿勢といえるかなと思います。アゼルバイジャン語もその一環で、この言語をして「トルコ語の方言だ」といったような少々雑すぎる説明をなんとか駆逐する一助になればいいなと思いながら語学書の完成にとりかかっていたことでした。
かくしてテュルク語南西語群に属するテュルク諸語のうち、主要な3言語(トルコ語、アゼルバイジャン語、トルクメン語)の語学書が日本語でアクセスできるようになったというのはよきことでしょう(きっと)。トルクメン語そのものを身につけたい方はもちろんですが、これら同一の語群とされる各言語がどの程度似ていてどの程度異なるのか、その一端だけでも知りたい方(私のような!)にとっても『トルクメン語会話帳』は有益な一冊となるのではないでしょうか。同書の両著者には"Emeklerinize sağlık!"と申し添えたく存じます。