【シリーズ】あるじとしもべのダイアローグ(5)
「おいしもべ」
「ハイあるじ」
「なんや…しばらくせんうちにいろいろあったなあ」
「そうですね…しばらくしないうちにいろいろありました」
「まず何から話すべきやら」
「エリザベスカラー、取れましたね」
「せやねん…取れた よかった ワイもうあの恰好のままで一生終えるんかと思うたもの」
「お望みでしたらまたつけましょうか」
「お断りします💢 あんなもんもう二度と勘弁」
「そんなにストレスでしたか」
「ストレスなんてもんやないでおまい メシ食うのも水飲むのも難儀したやんけ」
「エリザベスカラーが水でびちゃびちゃに濡れてましたもんね」
「あんなもんおまい不可抗力やんけ それをおまい 水飲むのヘタやな〜的な目で見やがって ワイそーゆーの根に持つタイプよ いうとくけど」
「なんとあるじ 見てたんですか」
「見とるわぇ おまいのことは常に見とる」
「そんなに私のことを好きだったとは…前々から思っていましたが、あるじ私のこと超好きですよね?」
「ダァホ 自意識過剰にもほどがあるんじゃい おどれごときはワイがおいしいごはん食べてたまにおやつにちゅーるさえくれたら用無しなんじゃい わかったか」
「ちゅーるいらないんですか?」
「あーーーーウソウソ ちゅーる食べたいです ワイが悪かった もう悪口言いません」
「あるじは本当に口が悪くていらっしゃる…誰に似たんでしょうね」
「そんなもんおまい ワイのしもべことおまいの影k」
「…」
「じゃありませんよね あは アハハ ねえちゅーるくださいな」
「半分だけですよ 食べすぎたらまた太っちゃいますからね」
「ゲヘヘわかってるがなわかってるがな いや〜長崎の魚ウメー」
「長崎の魚っていうかまあちゅーるなんですけどね…まあいいや 私の実弟氏にもあるじの写真見せたのですが、デカすぎだっていうのでドン引きしてました…」
「何を引くことがあんねん ワイにまだ会うてないからや言うとけ 会ったらきっとワイのことかわいいって認めると思う」
「自信たっぷりですね…」
「そらもうおまい ワイのツイッター見ましたか フョロワー400超えたよ?すごくね??」
「よかったですね あるじ、人気者です」
「フフン おまいごときじゃワイの足元にも及ぶまい」
「そうかもしれませんね」
「おまいごときに聞くのはかわいそうやけど、おまいのほうはフョロワー何十人くらいおるの」
「最近4500超えましたかね」
「フフン その程度やろなと思たで…たったのよんs…は??4500!!!!?」
「ハイ 4500」
「なんでおまいみたいなもんにそないにフョロワーおるねん」
「それが私にもわからないのです 気がついたら増えてました… SNSは怖いですね」
「ひょっとして、それはひとえにワイのおかげやないのか」
「さあ?みなさんに聞いてみないと…でもあるじ、400をようやく超えたんでしょ?」
「…」
「ということは、残る4100人のフョロワーさんたちは違うということに…」
「ウワーンチキショウくやしい 腹いせにワイのぴのぴのパンチをくらえ」
「ちょっと何するんですか 猫パンチやめてください 暴力反対」
「おまいみたいなもんに負けるとは!! あっ わかった おまいさてはお金払ってフョロワー買ったな なんかそーゆーサービスがあるってツイッターで聞いたことあるもん」
「人聞きの悪いこと言うのやめてください そんなものにお金出すくらいなら多言語版『星の王子さま』を買い足します」
「それもそうやな…まだ買ったやつ来ないの」
「まだですね…まあしかし、もうそろそろ来そうな気もしますけど」
「楽しみにしとるみたいやけどおまい ワイにもお金使うてくれよ」
「けっこう使ってますよ… 何かまだ欲しいものが?」
「あのーあれや ワイ、ふみふみしたらご飯出てくるヤツほしいな…夢のよーなマシンじゃない???」
「自動給餌器ですかね」
「そうそれ!それさえあったらもうおまいみたいな全裸中年男は用済みやねん なぜと言ってご飯出してくれるマシンがあるからね」
「…そのマシンにご飯をあげるのは誰だと思いますか?」
「…」
「最後に確認でお尋ねしますね あるじに必要なのは誰ですか?」
「…しもべです…」
「え?聞こえませんね もう一度大きな声で」
「しもべさまです」
「そうです わかればよろしい さあ仲直りしましょう ハイお手」
「ぐぬぬ(お手) チキショウ人生厳しい つらいことが…」
「つらいことが…?まさか『多々ある』とか言ってシメるつもりじゃないでしょうね タタールだけにとか言って それもう100万回使ったので禁止です」
「そないなベタな終わり方したらあかんわな でもおまいの日々を見て、ワイもテュル活しようって思いました」
「おっ それは本当ですか やった 仲間ですね それで、具体的には何を…」
「ちゅーる食べる」
「は?ちゅーるがなんで…」
「なんでておまい 『ちゅーる食う』やろ?」
「…」
「ちゅーる食う… ちゅる食う… ちゅるく… チュルk」
「…」
「次回に続くやで!」
(次回に続く!)
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