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いつか、山のあちら側へも
2016年、1月末に私は当時の職場の許可を得て、海外に研究調査のための出張ということでバクーに向かっていました。下の写真は、そのときに運良く機内から撮影したコーカサス山脈です。
写真で伝わるかどうかは自信がありませんが、あまりにも美しく見えて感動したことを今でも思い出します。
ただ、この時は山そのものに気を取られていて、その向こう側、つまりいわゆる北コーカサスのほうには全く意識が向かいませんでした。それもそうでしょう。当時の私の関心ごとはほぼ100%アゼルバイジャン、アゼルバイジャン語に向かっていたのです。
コーカサスの山脈を超えたところにもテュルク諸語があるということはなんとなく知識としては持っていましたが、では具体的にどんな言語があるのかということについてはほぼ知識がなかったのです。
それから6年近く経ちました。奇しくも私は長崎に潜む生活を送っていますが、その分興味関心だけはかなり広くなったかもしれません。2020年の本帰国時のことを思い出します。その時と今とで変わったことは、現在も続くパンデミックと密接に関わることでもありますが…
・トルコ語をオンラインで教える仕事に関わるようになった
・アゼルバイジャン語の語学書が1冊めどがついた
・長崎方言のカンが相当戻った(18歳で離れて以来です。たぶん)
・ロシア語をはじめ、以前よりもテュルク諸語以外の言語に興味を持つようになった(語学としてやっているものは限られていますが)
・既習のテュルク諸語のほうにもさらに関心が広がった
大きなところだとこのあたりでしょうか。特に最後の2つは密接に関わりがあります。何が大きかったかといって、例の『星の王子さま』の蒐集を始めたことが大きかったでしょう。
ここに興味をもってしまったせいで…私は…かなりの部分を課金してしまう沼に陥ってしまったのです。もっともそれでお金を対価にしつつ、得たものは大きかったかもしれません。
特にこの長崎すら出られる機会を得にくかった時期に、なんとか精神衛生を保てたのは、この本の蒐集を軸とした、多言語への興味関心ではなかっただろうかとも思うのです。わりかし、まじめに。
で、例の本の翻訳本で言うと、北コーカサス地域に関連していえば2つのテュルク系言語に出会うことができました。このくだりは、随時noteでも書いてきたことでもありました。
一つはカラチャイ・バルカル語、もう一つがクムク語でした。最近クムク語についても記事を書いたので、記憶に新しい読者の方も多いでしょう…(そんな熱心な読者がいればの話ですけどね!)
このほか、『星の王子さま』の翻訳はまだ出ていないようですが、ノガイ語についても言及したことがありました。
コーカサスの向こうには、少なくともこれらのテュルク諸語が話されている。どれも魅力的に見えるというんですからテュル活というのも業の深い現世の営みであることです…。
とはいえ、この世のことで興味関心、あるいは情熱のようなものが残っているというのは幸せなことなのかもしれません(お金こそないが!)。
いずれ今抱えているいくつかの大きな仕事が終わったらそのときには…と私は密かに野望を抱くのであります。コーカサスの「あちら側」にもぜひ足を運んでみたいな、と。
そのためならロシア語は必須ですよね…やりましょうロシア語…千里の道もなんとやらと申しますし…!いつか我が身を…コーカサスに…降下さす…!なんつって!ガハハ!!
(日曜日のテンションで、10月末日に記す)
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![吉村 大樹](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/173281934/profile_953f1e6dd0436f4ca73e8e6926eb1fb7.jpg?width=600&crop=1:1,smart)