【アンカラ滞在記】自宅から6km離れた配送業者のオフィスで本棚のパーツを抱えて呆然と立ち尽くすも力技でなんとかしたので自分で自分をほめてやりたかった事件
「アンカラ滞在記」シリーズ。前回の記事はこちらです。
アンカラの自宅で、給湯器のガスが使えない問題がようやく解決しようとしていたころ、もう一つの事件が起こっていたのでした。
そう。当日朝も早くに、私は自宅から6キロほど離れた配送業者のオフィスの前で立ち尽くしていたのでありました。何が起こっていたか。
ツイッターでも、悲しいくらい伝わらなかったみたいなのですが。本棚のパーツを受け取るだけ受け取って、私は自宅までこの木材をどうやって持って帰って良いかわからずにいたということだったのです。
その時に初めて学習したのでありました。トルコでは、配送業者が再配達してくれるということはまずないということを。家具でもなんでも同じで、その時に日本の配送業者の再配達システムが本当にありがたいことだと思ったことでした。
当たり前だと思っていたことが、ぜんぜん当たり前ではなかった。
こんな類の経験を、トルコの5年の生活でいやというほど体験したようにも思います。ただでさえ、このオフィスに自宅から公共交通機関でたどり着くことができないという。なんでそんなところにオフィスを作ったかね?そして、なんでそんなところのオフィスが、うちの住所の担当になるんかね????
え、タクシー呼んだらすむんじゃないの?と思った方もいるでしょう。それがですね、ダメだったんですね。タクシーを呼んだら、「は?そんな木材入るわけないじゃん」とか言われて、とっとと帰られてしまったという。
さあ無理ゲーですよ読者のみなさま。オフィスの職員さんに「ねえ、持って帰れないんですけど」と一度言ってみるも、「いや、再配達はしないんで」とにべもない。15分くらいでしょうか。どうしたらいいものかと立ち尽くして考えました。
1つは、ブチ切れてあきらめて帰る。しかし、これって何の解決にもなってないという。そもそも、本棚が手に入らないし、なにより環境に対して罪悪感がありすぎる。よってこれは却下。
もう一つは、パーツごとになんとか徒歩なりなんなりで何往復もして持って帰る。しかし、バスでも移動できないところ、タクシーも運んでくれない路線のところを徒歩で何往復もする?これ、無理だよな。よってこれも却下。
かくなる上は…ということで、最終手段をとりました。再びオフィスに行って、力強くさきほどの職員さんに言いました。「偉い人とお話したいからちょっと呼んでいただけますか?」と。
運良く、オフィスのマネージャーの人がその場にいたので、話を聞いてもらえることに。
それで、必死に説明をしました。
オレは一人でアンカラというこの大都市で生活している。この本棚は自分にとって大変重要な家具なのだが、運悪く配送日に自宅に不在だったのだ。なぜなら大事な仕事がその日あってどうしても職場にいなければならなかったのだから(これは本当だし、配送業者もいつ配達に来るかとは言わなかった!)。
そして私は今困っている、とても気の毒な外国人労働者である、等々。以上のことをじゅうぶんにアピールして、お願いしたのです。「なんとかなりませんかね?」と。
そしたらさすがマネージャー氏。「わかった。ちょっと仕事があるから20分ほど待ってくれ。そしたら特別に車で一緒にもってったげるから」と。完全に配送業者、それも現場トップのマネージャー氏のご好意という形で、なんとか待望の本棚を自宅まで持って帰ることがかないました。
ものごとは解決して過ぎ去ってしまえば、なんということはないのです。我ながら、ひとまわり成長したような気にすらなりましたよね…(シミジミ)
その後も、本棚を組み立てるだけなのに軽く負傷したり、
なんで本棚を一気に3つも買ったかな?(そら一度に持って帰れんわ)と買うだけ買ったくせに後悔したりと、いろいろありましたが…
アゼルバイジャン語専用本棚ができれば、もうそれまでの苦労などどうということはありませんよね?
こうして、なんとか、待望の本棚が家に揃いました。Yaşasın!
本棚さえ自宅に来てしまえば、誰が何を言おうとこちらのものですわな。
あのとき配送業者のオフィスの前で、聞こえてないところで悪口言って申し訳なかった(たぶん言ったはず)。タクシーの運転手さんには恨み言言わなくてよかった(記憶ではたぶん言ってません)。すべての物事は解決してさえしまえば、もうなんだっていいのです。
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そして、なんとかなってしまうのがトルコなのかな、と。
実際このマインドを早い段階で身につけたことは、ストレスを最小限にして現地で生活できた「勝因」の一つだったかもしれないな、と今になって思うのでありました。
(続く!)
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