安定の自転車操業と増える積ん読
締め切りが近づくと、本当に何かと心に余裕がないもので…土曜日の報告が待っておりますので、だらだらとパワーポイントのスライドを作っている木曜の夜中であります(この記事は時間を指定して投稿するようにしている)。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
だいぶ暖かくなってきましたし、いい加減コロナさんも落ち着いてくれたらよいものですが、まだまだ油断ならない状況。私の日常も原稿書きと春からの授業準備、その他諸々机に向かって作業を続ける日々です。
さしあたり、アゼルバイジャン語の教材の作成が直近の生活の糧の確保として急務といったところで、今は「練習問題」を作っているところです。近々必要になりそうなので、これは自転車操業になりそうですがなんとかこさえていこうかなというところです。
書店の実店舗にもなかなか行く機会はなく、都市部での生活様式と地方の片隅とでは全然違うものだなあという感想を改めて持ちます。
さておき。日本に本帰国するときに、かなりの数の本を持って帰ってきたのですが、もちろん自分の買った本を全て持って帰ってきたわけではありません。現地ではとにかく日本語の本は貴重なので、あちらに残した方がよかろう、またはまた日本でも容易に手に入りそうな新書などは置いていこうというので、マンガなど含めてかなりの数をアンカラの職場や日本文化センターに寄付したり、学生さんや知り合いに譲渡したりしてきました。誰に何を譲ったかも忘れましたが、そういえばアレがなかったな…というものも長崎に帰ってから気付いたりする有様です。
とりあえず、先日市内の古書店と書店を巡り歩いて、本の買い足し。
これは名著ですよね。ぜひ読んでおきたい一冊。私も高校の時に学校の図書室ではじめて読んだ記憶があります。ただ、当時はまだこの本に書いてある内容が正直ピンときていなかったように思います。トルコ語をはじめとしてテュルク諸語に触れてから読むと、また読んだ時の感覚が全然違うという印象を持ちました。
次のこれはつい衝動で。私にとっては不要不急の一冊ですが…
著者の先生、私が外大にいた頃在籍されていたイタリア語の先生なのですよね。音声学の研究でも有名な先生。たしかNHKの語学講座にも昔出演されていたのではありませんでしたっけ。イタリア語とまったく縁のない生活をしていますが、いよいよ退屈になったら読もうかなと。
あと1冊、これも昔買ったはずなのになかったので、文庫で買いました。
テュルク語学徒なら、服部四郎博士の名前は知っておかねばなりますまい。ある意味で、日本のテュルク語学(業界の慣習的には「チュルク語学」とすべきでしょうが)の先駆けともいえる人です。
ひょっとしてこの文庫本も絶版になっていたりする…?私もこれは古書店で安価で売っていたので再入手できたのですが、ひょっとしたら運が良かったかも。
とりあえず、収録の「アルタイ諸言語の構造」は必読です。その他所収の各論考も必読でしょう。
そういえば、先日とある日本語教育関係者とおぼしき人が、トルコ語を指して「ウラル・アルタイ語族」と説明していたのをみて頭がくらくらする思いをしたことでした。言語の系統関係の証明にはそれなりの客観的な根拠が必要なのですよ、というのはもっと知られていいのだろうなと。その基本図書として、服部博士の文庫本は今でも価値があると思います。
未読の方はぜひ。オススメです。
記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。Çox təşəkkür edirəm! よろしければ、ぜひサポートお願いいたします!いただいたぶんは、記事更新、また取材・調査のための活動資金に充てさせていただきます。