【アゼルバイジャン語の話】(1):まずは簡単な文からスタートしてみよう
突然アゼルバイジャン語と言われても。そうお思いの方もきっといらっしゃるでしょう。
まあ、そう言わんと(どないやねん)。しばらく、どうせ雑文書くなら自分の書きたいことを書こうということで、『アゼルバイジャンのしくみ』的な話でもしてみようかと思います。
そういえば、そういうのやりますっていう話をnote書き始めのころ高らかに宣言したんでした…私、やるって言いっぱなしなところがあるな。悪いクセだわ。
まあとりあえず、まずは具体例から見てみましょう。話はそれからですわな。
以下、本シリーズでは付属語がほかの語にくっつく部分を「=」で書き表すことがあります。また、接辞が別の語やほかの接辞にくっつく場合は、「-」で書き表す場合もあります。
(1) Bu kitabdır.
「これは本です」
(1)の例は、「これは本です」という、ベタもベタな文です。どうです、きわめてシンプル。ほぼ2語で構成されています。主語はbu、これは代名詞で話し手から見て近くにあるものを指し示す語です(ですので、日本語の「これ」「この」等にほぼ同じのものと考えておいてひとまずよいでしょう)。
述語のほうが、kitabdırの部分。「本」はkitabという語で表します。ということは、残るdırの部分はなんでしょうか。ここはどうやら、述語を表す語にくっつく付属語のようなもののようです。
少し厄介なのは、この付属語が、どんな述語にくっつくかによって変わってくるということですね。以下、(2)の例を見てみてください。
(2)
a. Bu pişikdir.
「これはねこです」
b. Bu düzdür.
「これは正しいです」
c. Bu Bakıdır.
「これはバクー(アゼルバイジャンの首都)です」
d. Bu radiodur.
「これはラジオです」
どうなっていますか。(2)ではそれぞれ、(1)でdırとなっていた述語の語尾の部分が、4通りに変化する可能性があることがわかりますね?
いったい、どういうしくみで変化するのでしょうか。まあご安心ください、ちゃんと法則があるんです。
では、どんな法則か。
その法則をタネ明かしする前に、次回もう一つ、このように語尾が変化するパターンを見てみましょう。そこからでも遅くありませんのでね…!
さて、急遽始めてみたこのシリーズ。不定期更新予定で、本当にちょっとずつ書いていきます。
上記のマガジンに追加していきますので、アゼルバイジャン語の文法のほうにも興味がもしおありの方がいらっしゃいましたら、よければブックマークしてみてください。
アゼルバイジャン科学アカデミーの建物の一角。かつてのキリル文字が残っているところがかっこいいポイントの一つでもあります。
最近、『基礎1000語』という企画をnoteでスタートしたところですが、語彙の話をするならやっぱり文法の話も軽くしておいたほうがよいかな、と思ったのです。
あまり需要はないかもですが、書き手たる自分自身には需要というか、こういった内容をまとめておくニーズが一応あるので。そんなわけで、あえてひとまず書き進めてみます。
トルコ語もいいが、アゼルバイジャン語もいいぞ。の精神です。