『オクトパストラベラーⅡ』は、大人のためのRPGだった
久々にハマりこんでしまいました、王道RPGを。
『オクトパストラベラーⅡ』。
最近のゲームでは、かなりよかったです。クリア後、ロスになるくらいにははまってしまいました。
まさしく「大人のRPG」で、昔RPGをよくやっていた人は必見のゲームです。
その素晴らしい出来に対して、あまり話題になっていないのか不思議です。なので、オクトラ2のよさを紹介したいと思います。
『オクトパストラベラーⅡ』紹介
8人のキャラクターたちのそれぞれのストーリーを進めていき、1つの大きなドラマになっていく、そんなコンセプトのRPGです。動かすキャラクターはドット絵なのに、背景が美麗な3Dのため、懐かしくもあり新しくもある、そんな不思議な感覚も特徴的です。あと音楽が最高です。
そのシリーズ2作目が昨年2023年、ちょうど1年前にリリースされました。
私は前作は未履修の状態でしたが、まったく問題ありませんでした。2とあるので、前作やらないといけないのでは?と思ってしまうので、タイトルを別にしたらよかったのにと思わなくもありません。
システムや前作から続く世界観がこの作品を面白くしている要素でもありますが、そこに乗っかっているものが上質なんですよね。
大人のRPGたらしめているものをお伝えしたいと思います。
だいぶ突っ込んだ哲学的テーマを取り入れている
ネタバレにならない範囲で語らなければいけないので、多くを語れませんが、オクトラ2はかなり「深い」テーマを扱っていることに衝撃がありました。
思えばRPGのほとんどは(ゲームにかぎりませんが)「夢」「希望」「愛」「友情」といったテーマが取り扱われます。とても分かりやすく共感しやすい一方で、大人になると感動しにくくなります。そういった作品を見すぎているため、興ざめしてしまうくらいに目が肥えてしまっているからかもしれません。
たとえば、恋愛要素は好きですが、ストーリー中に安っぽい恋愛が入ってくると、「それ、いるか?」とテーマの薄さを感じてしまったりします。しかし、オクトラ2はそれがありませんでした。割と珍しいように思います。
そして主人公たちはもちろん、敵にも哲学的思想がないと、キャラクターが立たず、そのまま作品としての厚みが出ません。魅力的なキャラクターには哲学が見えます。
そういう点でオクトラ2の敵は「反出生主義」的思想を出しています。人間は生まれてこないほうがよい、という最近流行ってしまっている悲しき思想です。
とても肯定できない思想ですが、これが強大な敵として主人公たちに迫っていきます。「そこまで言っていいの?」「攻めてるな……」「子どもに見せられないんじゃ……」という思想や表現まで出てきて驚きます。ですが、これらのことは現実にある社会課題とリンクしていて、リアリティがかなり感じられました。
ドラマの根底に深い哲学があるため、思わず考えさせられ、全体のドラマに深さをもたらしてくれました。そのレベルは今までのRPGでは見ないレベルでした。ゆえに大人向けなわけです。
まるでNetflix?様々な種類のドラマを味わえる
その深いテーマの上に、8人のキャラクターそれぞれのドラマが乗っかってきます。そのドラマが、大人が見てもどれもとても面白い。一人ひとり個性があり、同じような話はひとつもありません。
一人二人とプレイしたときに思ったのは「これNetflixじゃん?」ということ。Netflixでよくあるみんな大好きなドラマがてんこもりです。同じ一つのゲームとは思えないくらい違うので、それぞれが新鮮に楽しめます。
ざっくり言ってみれば以下のようなイメージでしょうか。(私の個人的感覚です)
1.ヒカリ :王道の戦国武将の大河ドラマ
2.アグネア :アイドルの成功ドキュメンタリー
3.パルテティオ :池井戸潤的な波乱万丈経済人ドラマ
4.オズバルド :韓国のドロドロ復讐ドラマ
5.ソローネ :アンダーグラウンドなダークサスペンス
6.テメノス :宗教ミステリーもの
7.オーシュット :モンスターサイドのドラマ
8.キャスティ :白い巨塔的医療ドラマ
まあ、嫌いな人いないよねというレパートリーたちですね。
そういう点で展開は読めそうなんですが、まあ見事に裏切られまくります。
そしてバラバラなドラマが、集約されていく瞬間は一種のカタルシスがあって、めちゃくちゃおもしろ!となります。
ネタバレになるので語れないことが多すぎるのが残念でなりません。
ちなみに私はソローネ、パルテティオ、キャスティのストーリーがめっちゃ好きでした。テメノスもオズバルドもよかったですが。それでいうとヒカリも。いやまあ全部好きです、はい。
そこまであるの!?遊び心・やりこみ要素満載
ほかにもすごくいいなあと思ったのは、主人公や敵などメインキャラクター以外の一人ひとりのNPCまでも細かい設定が練られています。主人公ひとりひとりにフィールド上でできる特殊コマンドでNPCの情報を知ることができます。
そこで思わずホロリとさせられたり、笑わされたりします。不倫してることやその相手もわかっちゃう、そんなRPGありましたかね……。
クスッとしてたら、それが思わぬ伏線になっていたときには驚かされちゃいますね。このあたりにも遊び心が満載で、油断なりませんでした。
子どものときにやりこんでいた要素が満載で、それも懐かしく気持ちよくできました。
ということで、オクトパストラベラーⅡは大人の今こそやってほしいゲームの代表です。
「2」であることを気にせず、ぜひプレイしてほしいです。
絶対に後悔はさせないと思います。
ぜひ久々のRPGへ旅立ちましょうーー