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#5 一貫したサービス提供について

今日はオンライン英会話事業での仕事を通じて感じたことを綴ります。

いきなりですが、想像してみてください。もし、あなたがバス会社の事業責任者だった場合、どのような判断を下しますか?

ある休日、自社のバスを利用していると、一人のお客さんが運転手に向かって、

「バス停以外でも止められるだろう!?自由に下ろしてくれ!」

と怒鳴ります。 この要求に対し、運転手は、

「誠に申し訳ありませんが、弊社の規定により、そのような対応は難しいです。
走行中は危険ですので、吊り革や手すりにおつかまりください。」

と説明します。
しかし、この説明にお客さんは納得しきれず、不満を続けます。

ここで、あなたは同乗している事業責任者として、どのようなアクションを取りますか?

a. 「今回は私の責任で承認しますので、特別にお客さんを下ろしてあげてください」と従業員(運転手)に指示を行う。

b. お客さんに丁寧にお詫びし、規定についても説明を行う。

私は上記a.には反対です。

理由を後述しますが、余程緊急時でない限り、私は運転手の判断を支持します。

彼はお客さんに丁重にお断り(説明)し、安全に業務を遂行しようと努めました。

お客さんの立場からすれば、ルールに縛られているサービスやスタッフに対してイライラする気持ちは理解できます。一方、運営側から見ると、ガイドラインをしっかり守り、混乱を避けることの重要度は非常に高いと感じます。

まずはルールに沿って、しっかりと説明・対応を行う。その後で、フィードバック・報告を受け取り、今後の改善の参考にする。これが現場の、そして事業責任者の役割だと考えます。

顧客満足を追求するために規定を超えて融通を利かせることは、 長期的なビジネスルール、サービスの一貫性、そして他顧客との公平性を損ねる可能性があります。

そのような事態は避けなければなりません。

そのためにも、この運転手さんのように、現場で社内規定やマニュアル、ガイドラインの重要性や存在意義を理解し、顧客に丁寧に説明していくことが求められます。

そこに一貫性がなければ、将来同じような事例が発生した際、対応が困難になる恐れがあります。したがって、私は上記の「a. 」のような突発的な対応には賛同しません。

社内規定やガイドラインといった約束事は、まさにトラブルが発生した際の現場の混乱を防ぎ、サービスの一貫性や公平性を保持する目的で存在すべきです。

サービス業では、顧客サービスの向上が極めて重要ですが、この目標を達成するためには、「企業のポリシーを守ること」と「顧客にとっての価値を最大化すること」の間のバランスを見極めることが肝心です。

その場の感情や判断で顧客の要望を過度に取り入れてしまうと、現場の混乱を招き、一貫したサービス提供を妨げる可能性がある、というお話でした。

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