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ベンチャー企業の経営者必見! 管理部門の投資を徹底すべき理由

企業運営において、縁の下の力持ちのような役割を担っているのが管理部門です。
業績などの目に見えて活躍がわかる現場部門とは違い、管理部門の活躍はわかりにくく評価されにくいものです。
こういった理由から、ベンチャー企業の経営者の中には管理部門に対する投資を渋ってしまう場合もあります。
今回は、ベンチャー企業の管理部門が担う役割や管理部門に投資を行うべき理由について、なぜベンチャー企業の経営者が管理部門の本質を理解できていないのかを踏まえて紹介します。

ベンチャー企業の管理部門の役割

ベンチャー企業の管理部門の役割は、端的に述べると企業の社会的責任を達成するために持続的に経営を支えることといえます。

管理部門に求められる役割は多岐にわたりますが、ベンチャー企業においては、「事業成長に寄与すること」が最も重要な役割といえるでしょう。管理部門と一口にいっても、請求書発行や契約書の確認といった目立つ仕事ではないが欠かせない業務から、人事制度の整備や採用・資金調達といった事業運営において重要な役割を持つものまで様々な業務があります。

ベンチャー企業の管理部門の理想としては、全てを完璧にこなせることにあります。しかし、大半のベンチャー企業の場合、事業成長に応じて直面した課題に対して、その都度ルール化するなどといった場当たり的な対応となることが多いと思います。

そのため、ベンチャー企業における管理部門は、「いかに事業成長に寄与することができるのか」といった役割が求められるのです。

経営者が管理部門の本質を理解していない理由

経営者が管理部門の本質や重要性を理解していないがために、管理部門に対する人件費を出し惜しんでしまい、結果として管理部門が弱くなってしまいます。
なぜ管理部門の本質や重要性を理解していない経営者が多いのでしょうか。
様々な要因が考えられますが、主な3つの要因について詳しく紹介します。

現場出身の経営者が多いため

起業する経営者は、現場出身であることが多いです。そのため、現場で行われる実務に関することであれば多くの知識を持っていることがほとんどです。一方、管理部門に関しては詳しくないため、「会社運営における事務処理を行うための部門」といった認識を持っている経営者が多いです。

管理部門は業務内容自体が内向きで受け身の仕事も多いです。そのため、管理部門に求められる社員の性格や行動も同属性ではないかといったバイアス(偏見)を持ってしまっている経営者もよく見受けられます。こういったことから、管理部門に予算をかけることに抵抗感を持ってしまっている経営者が非常に多いです。

大企業出身の経営者が運用するため

大企業では様々な部門に多くの社員が所属しているため、それぞれの部門が実際にどのような仕事をしているのかが認識しにくいです。そのため、他の部門がどのような仕事をしているのか全く知らないといったケースがよく見受けられます。

大企業では、同じフロアで仕事をしている人たちの職種が全員同じであるといったことがよく起こり得ます。そのため、部門間の交流が物理的に少なくなりがちとなり、他部門の人がどのような仕事をしているか気になることもあまりなく、知ることができる機会も少ないです。

一方、中小企業やベンチャー企業では、同じフロアに社長や経理、営業や総務といった様々な仕事を担当している人たちが一緒になって業務を行なっていることがほとんどです。そのため、それぞれの職種の社員が、会社の中でどのような役割を担っているのかある程度把握することができます。

このように、大企業と中小企業やベンチャー企業それぞれの社内の見え方の違いを理解できていないままの大企業出身者が経営を行ってしまう場合があります。その違いから発生する価値観の相違によって管理部門の人材不足が発生していたとしても、初めは問題にならないかもしれません。しかし、それが原因で次第に現場が回らなくなり、経営が立ち行かなくなるといった事態も起こり得ます。

管理部門は誰でもできると考えているため

管理部門が会社運営において担っている業務への理解が乏しい経営者の場合、管理部門の業務は誰でもできる単純な事務処理だと考えてしまっている場合も少なくありません。

管理部門の業務は、現場部門と比べるとどうしても内向きで受け身の仕事が多くなってしまうため、そのようなバイアスがかかってしまっていることはあるでしょう。
しかし、業務内容にも異なりますが、管理部門の業務に専門的な知識が必要となる場面はあります。

例えば、経理や会計の業務では、会計に関わる知識を必須としますが、税務申告や確定申告など税関係に関わる知識や法律に関して知っておく必要があります。

他にも、法務の業務においては様々な法律に関する知識が必要となります。また、法律は改正により内容が変わることもあるため、一度覚えた知識も適宜アップデートすることを求められます。

人事は企業経営において必要不可欠な資源である「ヒト」に関する業務を行います。企業戦略に応じた人材確保や社員の評価にはそれぞれに応じた能力が求められ、労務管理においても様々な法律知識を必要とします。

ベンチャー企業が管理部門に投資する理由

なぜベンチャー企業が、管理部門に対する投資を行う必要があるのでしょうか。
それは、管理部門の体制が整っていないことによってビジネスチャンスを逃してしまうことが起こり得るからです。

管理部門の体制が整っていないことによって起こる弊害としてわかりやすいのは、他社から協業での新規ビジネス展開を提案された時など、新たな売り上げにつながるビジネスを持ちかけられた際です。

せっかく新規ビジネスのチャンスを得たとしても、サポートしてくれる管理部門のスタッフがいなければビジネスを成功させることは困難です。

サポートできる管理部門のスタッフの不足による社内の管理体制が乏しいという問題は、所属しているスタッフの責任ではなく、経営者の責任です。
せっかく得た新たな売り上げにつながるビジネスチャンスを、社内の管理体制不足の影響で逃さないように整えることは、経営者にとって大切な仕事の一つといえます。

また、ベンチャー企業における社員の退職の理由として、社長と社員の対立や社員同士の対立といった人間関係によるものがとても多いです。これは立ち上げ初期のベンチャー企業でよくみられる問題です。多くの社員を採用したとしても同じだけの人数が辞めてしまい、どれだけ時間が経っても社員の人数がほとんどかわらない会社となってしまいます。そのような会社の多くは、管理部門を担当する社員に専門的な知識を有する人材が乏しい場合がほとんどです。

このような会社では、社員が退職を検討した際に相談に乗ってくれたり、人間関係の問題が起こった場合に取りなしてくれるような人材が不足しています。
しかし、専門的な知識や経験を持っているプロフェッショナルな人材を採用することにより、そのような細かいケアにも手を回すことができるようになります。このように、管理体制が万全に確立されている会社であれば、ベンチャー企業運営において話に上る「30人の壁」や「50人の壁」も苦労せず乗り越えることもできるでしょう。

まとめ

今回は、起業運営における管理部門の重要性について紹介しました。組織運営において、売上を持たない部門に対して惜しまず投資を行うことができるかどうかが、最終的により多くの利益や売上を計上できる組織となるかどうかの近道となります。

ベンチャー企業の経営者の方やこれから起業を考えている方は、この記事を参考にしていただき、管理部門への投資を行うことを検討されてはいかがでしょうか。