[出張ついで旅 秋田編] 白銀の角館
早いもので、もう2月が終わろうとしている。
猫と暮らすようになってから、2月22日は猫の日という認識だが、Googleフォトは白銀の世界を伝えてきた。
3年前、出張で出向いた秋田は雪景色が広がっていた。
旅行日:2018/2/22(木)
終わりは始まり
火曜日に秋田へ向かう。
こまちの車窓は一面の雪景色だ。
今回の出張は、仕事は火曜の夕方に着いて準備を行い、翌水曜日に一日中得意先対応して夕方撤収という流れだ。
営業所も得意先も秋田駅から徒歩圏内。
ホテルは駅前。
火曜の仕事後は、新人時代にお世話になった秋田営業所の営業さんと飲みに行き、当時の話に花が咲く。
水曜は後片付けを終えた後、車で直接秋田駅まで送ってもらった。
ホテルに預けていた荷物を引き取り、駅に戻る。
17時過ぎの秋田駅。
仕事は終わった。
ここからがついで旅の始まりだ。
翌日の木曜日は有給休暇を取得した。
新幹線が来るまで、立ち飲みできるあきたくらすで日本酒を飲み比べ。
天の戸、雪の茅舎、まんさくの花。
会社ではまだみんな仕事をしているであろう時間に飲む、若干の背徳感と優越感。
18時すぎ、ホームへ向かう。
雪に埋もれる先頭車両は、終点・始発駅でしか見られない光景だろう。
ほろ酔い気分で秋田から新幹線で45分。
もう外は真っ暗。
駅前のホテルを予約していたので到着して即夜ご飯にする。
きりたんぽ鍋。
お一人様サイズのお鍋が可愛い。
結婚式の席次表に入れるプロフィールの「一番好きな食べ物」欄に、きりたんぽ鍋と書くくらいに好きな料理だ。
初めてきりたんぽ鍋を食べたのは、小学生の頃、初めて秋田旅行に来た親戚旅行にて。
以来家族揃ってきりたんぽ鍋の虜になり、家鍋メニューの常連になった。
今では、家に遊びにきた友人にきりたんぽ鍋を布教している。
至福のひと時が過ぎ、この日は早めに就寝。
みちのくの小京都、角館
今回のついで旅の目的は、角館。
来訪自体は2度目だ。
前回は桜を見に。
今回は雪景色を見に。
朝9時。
チェックアウトして荷物を預かってもらい、いざ散策へ。
前日は闇に覆われていて見えなかったが、駅前に雪壁がある。
左が駅舎、正面が泊まったホテルだ。
薄曇りの朝、上も下も白い世界。
ここから武家屋敷方面へ向かう。
車通りのある道はアスファルトが見えていたが、ここまで雪の降り積もった町中というのは初めての経験。
バス停が埋もれている。
歩いて15分ほど、武家屋敷周辺に到着。
観光客はまだ殆どいない。
木々に、屋根に、塀に積もる雪の白さが眩しい。
春に見た景色とはうって変わって、モノクロの世界だ。
こんな世界を独り占めできるなんて、平日の朝万歳。
まずは石黒家見学。
一週間後には雛祭りということで、雛飾りの展示がしてあった。
ストーブついているとはいえ、室内でさえ足先が悴む寒さ。
桃の節句など遠い先のように感じるが、モノクロの世界ではこの色鮮やかな雛飾りがあるだけでとても華やぐ。
太平洋側の明るい日差しの中で見る雛飾りとは、全く異なる印象を受けた。
続いて青柳家へ。
タイミング悪く、観光バスの御一行と重なってしまった。
賑やかな御一行を先に行かせてゆっくり静かに見学したいところだ。
庭は雪に埋もれている。
見学ルートは雪かきしてあるので歩くには全く問題ないが、雪像は気付かずに通り過ぎるところだった。
地表は雪に覆われ、頭上は氷柱が垂れ下がる。
雪国の暮らしの過酷さが容易に想像できる。
時刻は10時半。
あまりに寒いので、敷地内のハイカラ館で暖をとる。
桧木内川
11時頃になると、日差しが出てきた。
ここで桧木内川へ向かう。
川辺は真っ白だ。
凛とした空気感が心に沁みる。
桜並木の景勝地も、こうも変わるのかというくらい、季節で印象が異なる。
こちらは2012年の4月の光景。
あぁ、また満開の桜を見に行きたい。
桜並木の下は遊歩道となっているが、この季節は腰程の高さまで雪で埋もれている。
犬の散歩跡が可愛い。
お腹が空いてきたので、また武家屋敷の方へ戻る。
お店は忘れてしまったが、ランチは美味しい親子丼。
漬物がいぶりがっこというところが良きかな。
お腹も満たされ時刻は13時過ぎ。
そろそろタイムリミットが近づいてきた。
安藤醸造元でも中で雛飾りの展示をしていた。
色々試食などさせてもらい、お味噌を購入。
唐土庵で生もろこしをお土産に購入し、駅前まで戻って時刻は14時過ぎ。
ホテルに預けていた荷物をピックアップし、これにてついで旅は終了。
* * * * *
翌日も仕事ということを考えあまり帰宅時間が遅くならないように、今回は半日程しか滞在できなかったが、角館は新幹線駅ながら徒歩15分ほどで観光地まで行けるので、ふらっと行ける気軽さがある。
とはいえ、角館-東京は新幹線で4時間。
日帰りもできなくはないが、やはり少し遠いので、こういった出張機会は見逃せない。
同じ観光地に何度も行く楽しみの一つに、季節がある。
春と冬を経験した角館。
新緑の映える黒塀、錦の彩の秋もまた、実際にこの目で見てみたい。