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[北陸旅行]黒部峡谷鉄道 途中下車の旅

昨年の北陸出張時、ついで旅として行くことを検討した黒部峡谷。
でも選ばなかったのは、唐突に「ここにはいつか、2人で行きたい」と思ったから。
そんな事、当の本人には伝えていないけど。

旅行日:2020/10/12(月) ▶︎前日 ▶︎翌日

出発は宇奈月温泉から

富山旅行2日目は、黒部峡谷を堪能して立山へ移動する1日に。
宇奈月温泉、平日なのに泊まったホテルは宿泊客がいっぱい。この宿泊客の多くがトロッコ乗るのか!?と思うと、予約も何もしていないのが不安になる。

少し早めにチケット売り場に行けるようにチェックアウト。8:17発のトロッコが出発するのを見送ったが、流石に朝早くて空いていた。
駅には作業員が溢れており、一体何事かと思ったら、ダムや発電所などで働く人達向けのトロッコの乗車待ちだった。そう、ここは単なる観光地ではなく仕事の場でもあるのだ。

トロッコは基本予約制。と言っても、号車が指定されるだけなので、その中では自由席。ネットで事前予約もできるのだが、1日乗り放題切符は当日券しか無いので乗る前に買うしか無い。
9時発のトロッコを予約しつつ、1日乗り放題切符を購入。おや、次の9:21発は△になっている。

宇奈月温泉から終着の欅平まで、片道1980円。
乗り放題切符は4000円。

時間まで、駅の向かいにある入館料無料の黒部川電気記念館と駅二階の展望スペース兼待合室で過ごす。

最初の駅、黒薙へ

9:00発のトロッコに乗り込む。
7号車までが普通車両で、その後ろに5両くらいの窓付客車が続く。普通車両は窓もなく自然を体感出来て良いが開放的すぎるので、小さな子供とかいたら窓付客車の方が安心だろう。
出発してすぐに橋を渡りトンネルをくぐりエメラルドグリーンのダム湖沿いを進み、初っ端から楽しい。

黒部峡谷鉄道は沢山の駅があるが、観光客が降りられるのは途中の黒薙駅と鐘釣駅、そして終着の欅平駅だけ。他は作業員の為の駅だ。
途中、線路脇に避ける作業員の方々とすれ違ったりし、そうだ平日だったと思う。

さて、20分ほど乗って最初の降りられる駅、黒薙に到着。降りる人は殆ど居らず、ここで降りるの?という目で見られた。

確かに、ここからどうやって進むのだろう。

道が、ない。
ホームの隣は崖である。

乗っていたトロッコが出発するのを見送ると、駅員さんが説明してくれた。曰く、ホームから線路に降り、向かいにある階段を登れ、と。

線路に降りるという、ちょっとイケナイ事してるようなワクワク感。ホームは線路からそんなに高くなく、簡単に降りられた。

目的は黒薙温泉ではなく、階段を少し登ったとこからの眺めだけなので、上から橋を眺めたらすぐに引き返す。

黒薙駅からの乗車時は、トロッコの予約ができない。駅員さんに次のに乗ることを告げると、空いている号車に案内してくれる。
2〜7号車までは修学旅行生で埋まっていたので、1号車を案内される。なるほど、だから△だったのか。

第二の駅、鐘釣

黒薙から30分ほどで次の降りられる駅、鐘釣に到着する。ここは上下線でホームも分かれていた。
顔ハメパネルやら色々撮影グッズも置いてあり見ていたら、お茶目な駅員さんに茶化される。
改札は反対側。出てすぐに予約受付があるので次の電車を予約。

目的はここも温泉ではなく、徒歩3分の万年雪が見られるという展望台。
雪。
どこだ。

ここら辺にある、はずらしい。
なんでも今年は暖冬で溶けてしまったそう。その年の天候によっては見られないこともあるようだ。残念。

しょんぼりと引き返し、駅にあるお茶屋さんでおしるこタイム。

終着、欅平

次の予約は5号車。降車客を待っていると、なんと5号車の乗客が全員降りた。同じツアーのようだ。
まさかの車両独り占め。いや、二人か。
スイッチバックして鐘釣駅を出発し、20分ほどで終着の欅平駅に到着。

まず、帰りの予約をする。
欅平の滞在時間は1時間半ほど。

次に、駅二階の食堂で早めのランチタイムをとる。
窓際は眺めも良いのだが、カメムシがいっぱいいる。カメムシを眺めながら食べたくはないので、窓から少し距離を取って座る。
ホテルでもカメムシが入ってくるから窓を開けないようにと注意された。部屋に着いたら尋常ではないくらい窓にカメムシいたから、開ける気になんて毛ほどもならなかった。虫嫌いの人は注意した方がいいだろう。
ちなみに黒薙駅のトイレ開けたら、ドアの内側にカメムシがいた。カメムシ天国。

そして、散策。

早めに食事をとったことで、前述の修学旅行生とは散策タイムがすれ違いになった。
人喰い岩を少し過ぎたところで折り返し、足湯でまったり。浸けた足首まで真っ赤になった。
なお、猿飛峡までの道は通行止めになっていた。

記念に、と二人で自撮りした写真を後で見たら、おでこに何か黒いものが付いている。拡大したら、小さな虫だ。残念。

帰路

帰りは昼過ぎということもあり、列車もなかなか埋まっていた。
帰りは途中下車せず、まっすぐ宇奈月温泉駅へ戻る。途中だんだんと雲が掛かり、山の頂上が隠れ始め、着いた頃には小雨が降ってきた。

宇奈月温泉駅に13:46着。5時間弱の旅だった。
往復するだけと、切符の差額はたった40円の乗り放題切符。なんてお得な。
ただ乗って往復するだけより、途中駅は乗降客も少ないので駅員さんとお喋りしたり、旅している感がより出て楽しかった。

次の移動先への電車を待つ間に、駅近のカフェモーツァルトでお茶。マスターから座った席は出世席だと説明を受け、モーツァルト満載な店内に、のだめのブノワさんを思い出す。

コーヒーもケーキもとても美味しかった。

そして宇奈月温泉から次の目的、立山へ。
2時間半弱の移動、着く頃には辺りは暗くなり始めていた。

紅葉はまだもう少し先という感じだった。新緑の季節や夏は、涼しい風が心地よいだろう。
トンネル内は気温が低いし風が涼しいし、カーブするときは揺れるし音が凄い。だが、それがまた良い。

黒部峡谷は現役の仕事場でもある。冬季トロッコが走れないときに、歩いて向かう為の冬季歩道が線路と並走しており、休憩しながら9時間かかるという。(この辺は車内アナウンスの室井滋さんが説明してくれる)
過酷な地で作業する方々がいてこその安定した電飾供給。そんな景色も垣間見られる、トロッコの旅だった。

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