わたしとけんけつちゃん

 皆さんの血液型は何型ですか?私はAB型です。世界の中には9%しかいない、新しい血液型で、梅毒とか昔からある病気に弱かったりするらしいです。まぁ、わたしには縁がありませんが。

 今日久しぶりに献血に行ってきました。22回目です。献血ルームに行ってベッドに横になる。それだけで人助けができる。すばらしいことだとおもいませんか?でも今日行って問題が起きました。わたしは人よりも血管が見えにくいようで、ちょくちょく看護師たちのバトンタッチや手助けが発生します。いつもの事だし結局は針がちゃんと刺さります。今日は違いました。血管が出ません。手助けが来て刺されましたが、針に血がはいってません。
「手の甲いく?」
それは分かる人には分かる恐ろしい提案でした。「手の甲」どんな屈強な大男でも倒れ、見たものは卒倒し、聞いたものは震え上がる。注射やったら痛いとこランキング常に上位のあの「手の甲」です。今回は抵抗の結果どうにか回避できましたが、検査する腕に二つの穴が開きました。これは由々しき事態です。最終手段手の甲は絶対にやりたくありません。そのあとベッドにいきました。普段そこでもゴムチューブで腕を縛られます。はじめはいつも通りのゴムチューブです。でも今日はそのあと重々しいピンク色のベルトが看護師のエプロンからさながら秘密道具のように取り出されました。ジャギジャギとわたしの腕は縛られます。口には出しませんでしたが血管が見えなかったのでしょう。こんなことは初めてです。ここ最近で何が変わったか。そう、体重です。

 自分の情けなさに苛まれている。看護師に申し訳なく思う。いろいろなことが頭を回り血とともに流れていく。いつも通り、体のことは考えてるふりをして意識の外に追いやる。逃避の作業に入っているとわたしの名前を呼ぶ声が聞こえてきました。看護師?隣の人?いいえ違います。       

「なつきちゃん!」けんけつちゃんです。あの赤いお耳で、使いきれない量のラップを生産し続ける、吸血鬼。あのけんけつちゃんです。

「けんけつちゃんどうしたの?」もはや私の頭は正常に働きません。目の前に青べえが出てこようがへむへむがでてこようが近所の子どもと変わりません。

「なつきちゃん、いい加減に痩せよう!このままじゃ看護師さんたちが困っちゃうよ。」なんだこいつは。いきなり出てきて人が忘れようとしていることをほじくり返す。私は寛大な心の持ち主だ。怒りはしない。感謝しろよきゅうけつちゃん。

「そんなことわかっているよ、今までだって痩せようかなって思うことはいっぱいあった。でもダメなんだ。いつも長続きしない。それにこのままでも困ることはないし。ほっといてよ!」

「バカ!いつまで現実から目を背けるの?痩せるのは自分のためでしょ。あなたも気づいているでしょ。去年普通に来ていた服がきつくなったり。すぐいっぱい汗かいたり。いろいろ不都合がでているのに無視するの?」

「でも、おばあちゃんは大丈夫って言ってくれるよ」

「自分に都合のいいことだけ耳に入れないで!それにこのGWに帰った時あのおばあちゃんもなっちゃんの体心配してたでしょう。お母さんも心配してるよ。」

「わかってる...わかっているんだよ!でもできないんだ!いっつもあきらめる。食べてしまう。できないんだよ...........やせるのは」

「わかるよなんて言っちゃいけないね。でもなつきちゃんにやせたいきもちがあるのはわかるよ。だからわたしはなつきちゃんのダイエットを手伝うためにアイディアをもってきたんだよ!」

「ほんとに?でもそれも結局はだめだよ...」

「大丈夫!なつきちゃんはゲームがすきでしょう?」

「うん...」

「これはゲームをしながら運動ができるんだ!なつきちゃんはポッケトの中のモンスターが好きだよね。これは現実世界で歩きながら実際にポケットのなかのモンスターをゲットできるんだ。また、たまごというものがあってこれはしっかり歩かないと孵化しないよ。強かったり、珍しいのは10キロあるかないといけないんだ。」

「10キロそんなに歩けるかなぁ?」

「歩けるよ!なつきちゃんは夜中暇なとき突発的に歩き出して10キロ~20キロ平気で歩くじゃない。それにこのゲームをしていればダイエットの結果はすぐでなくても、毎日歩くことでゲームの結果は出るんだ!これなら続けられそうじゃない?」

「それならできるかも。心配してくれるお母さんやおばあちゃんのため、献血ルームの看護師をこまらせないため、なにより自分の体のため頑張るよ!」

「うん!頑張ってね!歩いたことを理由に食べちゃダメだよ。雨の日や時間のないときには、食べるものに気を使って、話題の筋肉体操みたいに家でできる運動をしようね!」

 最後に献血はすれば必ず誰かの助けになります。町を歩いているとき献血のバスやプラカードを持った人を見かけると思います。血がダメとか健康上とかそういう人は無理しなくていいです。ただ健康で時間がある人はぜひ1度行ってみてください。その一回だけでも誰かの助けになります。

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