「こんな夢を見た。」朗読音声公開 夏目漱石"夢十夜"モチーフ公募ショートショート作品
「こんな夢を見た。」朗読音声がリリース
文学・演劇・朗読・耳で聞く小説・夢・ファンタジー。・・・こんなキーワードに心惹かれる方はぜひ。
私も少し関わりました企画のご案内です。
夏目漱石の「夢十夜」を読んだことはありますでしょうか。10篇の幻想的な短編で、一部の作品は「こんな夢を見た。」という書き出しで始まります。
そんな夢十夜をモチーフとした、「こんな夢を見た。」という書き出しから始まるショートショートを公募し、選ばれた10作品を朗読した作品が公開されました。
落ち着いたトーンで朗読される10作品、19分。耳から物語を楽しむことが出来、ワクワクや安心をお届けします。ぜひみなさんのお供にしていただければと思います。
通常価格 2,000円ですが、期間限定で6月末までは1,480円。
ちなみに1・2回目は公演形式だったため、このお値段ではなかったです。期間限定料金で聞けるのはかなりおトクです。
受賞作品全文も公開されています。
目で読むのと、耳で聞くのと、全然違った印象となり、かなり楽しかったです。
イベント主催 ツカノマレーベル
イベントの主催は、「時代に流されない音楽」を合言葉に、文学と音楽の融合をテーマとしたイベントを作り上げる、ツカノマレーベル。
そんなツカノマレーベルが企画する「こんな夢を見た。」は、今回で3回目の募集となり、オンラインで朗読作品を販売するのは初。
いろんなテイストの"夢"が見られる作品。
今回は約700作品の応募があり、「こんな夢を見た。」は看板イベントになろうとしています。
今回は字数制限をぐっと抑え、1・2回目よりもぐっと短い物語に。その分雰囲気や物語は凝縮され、より濃いものとなっています。
受賞作品 個人的感想
全て素敵な作品なのですが、特に印象に残っている、一部分の感想です。
治千ちづさんの作品は衝撃的すぎて恐怖でした。恐怖な展開が、この十作品のスパイスとなっています。
体育座りすると膝が目の前にくるので、膝にできたかさぶたを剥いたり、土をほろったり、膝が気になってしまったことはありませんか?
そのくらいふいに、膝のばんそうこうを剥がしてみたところ、穴が開いていて、そこから水が出てきて…という出だし。
序盤は恐怖が過ぎるのですが、幻想的で美しい描写もあり、前半と後半で世界が変わる美しい作品です。
そして、上原透子さんの作品。夏の晴れた日に縁側に寝そべり、聞こえるのは蝉の声。庭の百日紅が目に入る。出だしの風景から、夏の爽やかな香りが漂ってきて、とても素敵です。そして曾祖母の登場。ここから終わりにかけては、優しく穏やかで、また終わりが綺麗なんです。本当に素敵でした。
他にも、ストーリーの流れがあって楽しませてくれる作品や、ぎゅっと胸をしめつけるような切なさを覚える作品、本当に様々なテイストを楽しめる10篇です。
文章だけでも十分素敵なのですが、更に田坂さんの穏やかな声が乗って、より素敵な作品になっています。
創造の世界のお供に
現実世界は、今ちょっと辛いことばかりです。我慢しなければならないことがたくさん。
この朗読音声で、ちょっと現実世界を忘れてみませんか?
音声を聞いて、世界に浸り、異世界を楽しむことはもちろん、
創作意欲を刺激されて、文章を書いたり絵を描いたりするのも良いかもしれません。
本を読んでみたいけど、字が入ってこなくて…集中できなくて…という方にもオススメです。この機会に芸術に触れてみてはいかがでしょう。
10篇の作者たちが作った世界を聞きながら、ぜひご自身で世界を創造してみてくださいませ。