植戸万典です。今年は「あけましておめでとう」とはなかなか言いづらい新春となりました。
こういうときこそ一致団結が大切だ、ということは言われがちですし、それそのものは否定するつもりもないのですが、こういうときの「絆」だとか「ワンフォーオール、オールフォーワン」だとかにはちょっと眉に唾つけてしまいます。
コラム「大一大万大吉」
一応書いておくと、『神社新報』掲載時は歴史的仮名遣ひでした。
「大一大万大吉」のオーディオコメンタリーめいたもの
「大一大万大吉」が「一人が万民のため…」であるということに関する論文は、近年のものでウェブでも読めるものにはこのようなものがあります。
ちょっと自分には理解することが難しいものです。史学というより、著者の政治哲学的な思想を石田三成の旗印に仮託して語られている印象がします。
例えば、九曜紋は中央の丸が北極星=天照大神、周りの八つの丸は北斗八星=八百万の神を示しているとし、その八つの丸には(一例だと断りつつ)さまざまな著名神社を当てているのですが、そこには平安神宮が入っていたりします。平安神宮の創建は明治時代です。
著者にはJ.S.ミルに関する著作もあって、いわゆる功利主義の研究分野をお持ちのようですが、少なくともこれは史学論文ではないと思いますし、著者自身も「私説」だと書かれいてます。
しかしその説が滋賀県の広報にまでも取り上げられていて、世間では歴史的事実であるかのように思われてしまっているのが現状です。
捉え方は自由だと思いますが、一応その史実性は付言しておかないとな、ということでコラムにしました。
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