機動戦士Zガンダム第4話「エマの脱走」感想
エマがティターンズからエゥーゴに寝返る回。エゥーゴは正義側という分かりやすい線を引いた回でもある。
『機動戦士ガンダム』ではジオンはMSや戦艦など悪そうにデザインされてても、悪役ではなく戦争における敵という体裁を崩さなかったが、Zではティターンズは明確に悪役になっている。
個人的にはブレックスがガンダムをどう見ているかが分かったのが収穫だった。前に見たときは気が付かなかった。そしてぼうっと見ていると分からない。
前回の続き、カミーユの叫びから始まるという不親切設計。ガンダムではこういうことはしなかった気がする。対象年齢を上げてるからだろうか。場面は相当ごたついてる。ジェリドのハイザックに取り付くカミーユのMk-IIと、ジェリドの反撃をいさめようとするエマのMk-II、ライラのガルバルディ隊、クワトロのリック・ディアス隊。
エマを信用できるとするクワトロとヘンケン、信用しきれないブレックスで意見が割れるも、クワトロが意思を通してMk-IIを返還する。ブレックスはリーダーとして絶対という感じではないらしい。
ブレックス「フランクリン・ビダンを生かしておくことは決してムダなことではない。将来こちらのテリトリーに引き込むことだって可能なわけだーーそういうことか?」
クワトロ「それで納得していただけるのであればそう思ってください」
この会話の真意はなんだろう? ブレックスには理由が必要だった、して、それはなんのために? スポンサーへの説明? 個人的な問題? スポンサーへの説明のために必要とするのであれば、クワトロの返事はいささかどんくさいので、個人的に理由がないと納得できないということなのかもしれない。バスクを憎んでいるような発言もしてるから。ロジックだけではないのだろう。
カミーユがティターンズへ。エマに殴られ、父にも殴られる。
「軍人の宿命だものな。軍人は辞退の善悪など分からずに上官の命令に従うんだものな。許してやるよ!」
ある意味、カミーユの軍人にならないという宣言でもある。ジェリドはメンタル最悪のカミーユに口喧嘩でも負けてて、本当にこいつエリートかと思った。ティターンズのいうエリートっていうのは金持ちとかアースノイドとかのことなのかもしれないな? ブライトさんも昔セイラさんにエリートって言われて嫌そうにしてた。
Wikipediaによればエリートの意味は二つあり、富野由悠季作品(ガンダムのみ?)では後者を指しているのかもしれない。選民思想的なほう。
Aパート終わり。
エゥーゴの新型MSを奪取しろという命令がエマに下る。これはターニングポイントだったかもしれない。バスクに人質を利用した非人道的な作戦について意見すると、じゃあお前がやってみせろとなった。ここでエマはティターンズとしてエゥーゴと戦えるのかを悩むきっかけが与えられ、Mk-IIを自由にできる大義名分をも得た。Mk-IIを提供することによりエゥーゴに参加ないし保護されることが期待できるし、カミーユとフランクリンを連れ出せる。
子供扱いされることを嫌がるカミーユ。発進する際にエマに声をかけられたときもラジャーとか言ってた。軍人をさげすみつつも
三機とも奪ったことで両陣営にガンダムがいるという事態がなくなった。
クワトロとヘンケンはエマの話をするが、ブレックスはMk-IIの話をする。冒頭でブレックスがクワトロやヘンケンと対立したのはエマ云々といよりはMk-IIにお熱だったからか。ガンダム神話を信じているか、あるいはエゥーゴという組織のプロパガンダに必要だと信じているかどっちかだろうな。
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