春の風
今日は年度末らしい。
と言っても、作家志望デビュー未満の私には、全く関係がないことだ。
まさに、パラレルワールド。
みんなが自分と同じ世界を生きているとは、限らないのだな。
朝目覚めて一番にすることは、カーテンをちらっと開けてみること。
今朝は、快晴。すぐにわかる。
映画oerfect daysの主人公平山のように、空を見上げると、スカイブルーが見えた。
ワクワクしながら、ウオーキングに出かける。
中学生たちの列が見えない。
そうか、春休みなんだ。
いつもより多めに歩く。
暖かいから。
時々風が頬を撫でる。
ああ、春が来た。
Spring has come.
中学で習い立ての英文の一つが浮かんできた。
なんで、Spring cameじゃないんだ?
と、おそらく多くの人が思っただろう。
理屈はともかく、アメリカに行って英語社会に飛び込んでみて、その理由が感覚で腑に落ちた。
だって、まだ春はここにあるから、だ。
まあ、英語のことはいい。
春の風を頬で受けながら、暖かさ、柔らかさを感じる。
春の風は、明るい。
太陽にも、空にも、風にも明るさが入ってる。
間違いない。春が来たんだ。
あの厳しく、冷たい風じゃない。
春の風は、厳しく、冷たい冬を凌いだご褒美に思える。
3月に卒業式、4月に入学式をするのは、日本人の季節への感覚なのだ。
この風を受ければ、何かが始まる。
その前に、終わりの儀式をするからだ。
どれだけ、世界が9月始まりだと言っても、おそらく日本人の感覚として、
4月始まりを変えることはないだろう。
よく見れば、雲もある。
でも、太陽の位置は、格段に高くなっている。
春になれば太陽も早起きをする。
いつもより多めのウオーキングを終えて帰る時、また風が頬に当たった。
風の中に、草木の青臭い香りが入っていた。
花見は、もうすぐそこだ。
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