節分と初音
124年ぶりに2月2日だった今年の節分。豆まきをしたあと残った豆で、抹茶味のカリカリ大豆をつくりました。煮詰めた砂糖をにからめて、抹茶をふりかけて、菜ばしでパラパラになるまで混ぜます。これが結構おいしい。ココアや赤しその粉末でもできるそうなので、次はぜひ三色にしたいと思っています。
7日の稽古は、ちょうど白梅が咲き初めだったので、紅梅に鶯の薄茶器を出して稽古をしました。床には「雪裏梅花只一枝」永平寺 北野元峰 筆。鶯がその年に初めて鳴く声を初音というそうですが、まさに初音が聴こえてくるようで楽しくお茶を点てました。
気づけば、節分の薄茶器を出さずじまいに。それはかわいそうなので、遅ればせながら今週末の稽古でつかうことにしました。
世の中の好ましくないニュースに気を取られていると、気持ちもガサガサとしてきます。個人的にもあまりご機嫌でなく、鬼のような心境(といったら鬼に悪いかもしれませんが)で、すこし落ち着きたいという邪念があっての稽古でしたが、蓋をあけると、「鬼」の文字だったのが、立ち上がりのところに「心」があらわれ、蓋裏にはお福さんのやさしい顔がみえます。
よかった、今年もありがとうございます、という気持ちでお茶を静かに点てました。