2021年 自分のめざす教師像

私はこの2年間生徒指導を担当し、いじめ・不登校の未然防止・早期対応の強化や不登校児童への対応に取り組んだ。

在籍校の子どもたちの大多数は、学校で一生懸命、楽しく学ぼうという意欲を持って学校に来ている。しかし、中には様々な要因で楽しく過ごすことができなくて悩んでいる子どももいる。生徒指導としてそういう子どもたちと接するときに私が心がけてきたのは、「真摯に聞く」ことだった。まずはマンガやすきなことから話を始め、共感したり質問をしてより深めたりしながらその心に寄り添い、次第に子どもの考えや悩みが言葉になって出てくるように聞くことを心掛けた。原因を探り、解決策を導くためには「聞くこと」が大切なことを、私は子どもたちや先輩の先生方から教わった。

そのために、休み時間の子どもたちとも積極的に声をかけ、普段からコミュニケーションを図ることを心がけた。不登校傾向の児童への対応でも、子どもとの関係づくりを大切にするとともに、同じくらい保護者との関係も大切にするように努めた。大変な状況の中、学校の取り組みを理解し懸命に協力してくださることに感謝を忘れず、誠意をもって接することを心がけた。

問題行動への対応では、校長のリーダシップのもと、各担任・養護教諭・スクールカウンセラーなどの外部機関と連携し、組織的に対応するように取り組んできた。若い教職員が増える中、事実確認や子どもへの個人指導やクラス・学年への全体指導、さらに保護者対応に至るまで、近年問題行動への対応は一層複雑、かつ多様になっている。それに対応するため、保護者対応の研修を計画したり、聞き取りの際は一緒に関わりながら、自分が楽になるための嘘を許さない姿勢や事実を正確に確認し全体像をはっきりさせてから子どもを指導することなどを若手に伝えたりするように努めた。

新型コロナによる臨時休業明けには、子どもの不安を受け止めるために、一人ひとりと担任が話し合う時間を持つことや、子どもたちが新型コロナへの不安を受容し差別を生まないような心を育てる授業案などを学校で提案した。教職員が笑顔で、一人一人の声を誠実に聞くことが、コロナ禍にとっても子どもの不安軽減に大きな効果を上げたと考えている。

また、私は臨時休業中に「学校や教育は何のためにあるのか?」「どんな子どもを育てたいのか」と、その意義を問い直した。そういった中で、自分の経験を活かし「子どもも先生も命を大切にし、笑顔でいられる学校をつくっていきたい」とはっきり考えるようになった。そのためには、子どもを中心に据え、教職員・学校・そして保護者や地域の3つがつながることが必要だと考える。

教職員の人間関係を良好にするには、授業や学級経営の悩みをじっくりと聞いたり、積極的に助言やねぎらいの言葉をかけたりする存在が必要だ。教職員が笑顔になれば、子どもも笑顔になる。教師が主体的に学び一生懸命仕事に取り組む姿を見せることこそ、子どもたちにとって最大の学びになると考える。また、今求められるのは「持続可能な学校」である。教職員全員が育てたい子ども像を共有し、それをもとに一人一人がその使命を自覚し、日々の教育実践を積み重ねていくことが必要だ。ベテランである自分が自分の実践を次の世代に伝え、笑顔を忘れないように耳を傾けともに考えながら、若い教職員と管理職をつなぐ架け橋のような存在になりたい。

また、子どもたちの生きる力を育むためには、地域の協力が不可欠である。在籍校の校区では、コミュニティスクールの取り組みも進んでいる。私も参加する中で、多様な人間とふれあい、自分が必要とされる存在だと感じることが、子どもたちにとっては何よりも大きな学びになることを改めて学んだ。そのためには、地域と目指す子ども像を共有するために十分な話し合いを重ね、大人もともに学び成長していくことが地域の幸福にもつながることを伝えていきたいと考えている。

私は、失敗をおそれずそこからさらに学びを進める粘り強さを持ち、学びが人生において大きな喜びだと感じ、自分で成長しようとする子どもを育てたい。そのために、子どもも大人もともに笑顔で学び、成長し続けるような学校となるように、その中心となって尽力していきたい。

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