emax@小学校教師

小学校教師20年目。ランニングとロックを聴くことが楽しみ。考えるだけでなく形にしないと…

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小学校教師20年目。ランニングとロックを聴くことが楽しみ。考えるだけでなく形にしないとと思い、日々考えたことをだらだらとつづってみています。https://twitter.com/emax_up

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最近の記事

算数の授業展開のポイントを考える

久々の更新になりました。とにかく忙しくて…。またぼちぼちがんばります。 学校の職員研修で、若手向きに算数の授業での授業展開について話すことになりました。とは言え10分程度ということなので、Twitterの図解風にまとめてみました。研修の原稿のように書いてみます。 4年生の「わり算の筆算」の授業を想定します。さて、あなたはどんな時間配分で授業を組み立てますか? 指導書ではこうなっています。この時間配分、どうでしょうか? わが校では「赤ねこスキル」を授業に取り入れることに

    • 小学校で「コロナ差別をしないために」授業をやってみた

      久しぶりの更新です。やっと、noteを綴ろうという気分になりました。またぼちぼちがんばります。 またもや非常事態宣言の延長を受けたことで、ストレスが社会全体に広がっています。その余波を受けている子どもたち。でも、逆に。できればこれを契機として、差別を許さない心と人としての生き方を考えてもらいたい。 実際にネットで調べてみると、そういう授業実践はまだまだ少ないようです。 そこで今回は、「STOP!コロナ差別」について6年生で授業をやってみました。 「差別は許さない」こと

      • 学級開きの心構え ~学級づくり編~

        もうすぐ4月。Twitterを初めて分かったのは、初めて先生になる方の不安。しかも「ブラック」だのなんだの余計に不安になるような情報が錯そうしている昨今、その不安は私の時代よりもさらに大きいものだと思います。 今回は、私が学級をスタートするときに大切にしていることをまとめてみました。いろんな実践があるのでやり方はそちらにお譲りして、特に心構えに絞って書いてます。もし、何らかの形で参考になれば幸いです。 ①自己紹介 ~自己開示とルールの提示~始業式の日はノートや教科書を配り

        • 「人間関係を考える授業」考察

          「他者とのつながりについて考えよう」という授業を前回紹介したhttps://note.com/uemax0729/n/n1d2ac7b75646。 うれしいことに、5・6年生7クラスで授業をさせていただくことができた。今回は、その感想などから感じたことをつづろうと思っている。 子どもたちの感想は、まあまあ上々だったと思う。ただ、仕方ないとはいえ、45分にすべて詰め込みすぎだった。本来は、3回くらいで分けられれば、さらに子どもたちと一緒に話し合ったり考えたりできたなあ…。そ

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        • J-POP考察
          3本

        記事

          『友だち幻想』をもとに、人間関係を考える授業を考えた

          ある若い先生から、5年生に友だち関係について授業で話をしてほしいと頼まれた。もちろん快諾。このチャンスを逃す手はない! 実は、前から使ってみたいテキストがあった。菅野仁さんの『友だち幻想』。ピースの又吉さんが紹介して一気に売れた、人間関係について中高生向けに書かれた本だ。ここに書かれたことは、今や小学生高学年でも話していいのではないかと思い、ひそかに温めていた。 これを、今形にするときだ! 日曜日、一日かけて本を読みなおし、どうしたらいいのか考えた。指導案にする時間もな

          『友だち幻想』をもとに、人間関係を考える授業を考えた

          震災の教訓を伝え、防災意識を高める授業を

          阪神・淡路大震災から26年。私が住んでいるのは兵庫県。この時期は、避難訓練などが実施され、各校で震災を忘れないようさまざまな取り組みが行われる。 私は兵庫の先生で作る学校支援チーム「Earth」の隊員だ。 Earthでは、阪神淡路大震災の教訓を生かし、子どもたちへ防災の授業を行ったり、発災時には派遣されて避難所運営や子どもたちへの接し方などにアドバイスをするなどの支援を行う活動を行う。また実際に他校へ行って授業を行う研修も行っている。 今年もありがたいことに、授業をさせ

          震災の教訓を伝え、防災意識を高める授業を

          学校は何のためにあるのか~こども会議~

          こども会議からの問い12月のある日、子どもたちと保護者数名が学校の中庭で話し合っていた。「こども会議」は、学校に対しての疑問や不満・要望についての話し合い、興味深く私も横で拝聴していた。 その保護者から、後日手紙とその「議事録」が届いた。 疑問 ・なぜ学校があるのか?(塾とかでいい) ・だまってそうじをするのはなぜ? ・なぜモップがあるのに、ぞうきんでやらないといけないのか? ・なぜ水曜日は6時間目になったのか? ・なぜフェイスシールドはだめなのか? ・ゲームやお菓子など

          学校は何のためにあるのか~こども会議~

          授業のタネ~女性差別について考える作文~

          授業のタネ~女性差別について考える作文~

          2021年 自分のめざす教師像

          私はこの2年間生徒指導を担当し、いじめ・不登校の未然防止・早期対応の強化や不登校児童への対応に取り組んだ。 在籍校の子どもたちの大多数は、学校で一生懸命、楽しく学ぼうという意欲を持って学校に来ている。しかし、中には様々な要因で楽しく過ごすことができなくて悩んでいる子どももいる。生徒指導としてそういう子どもたちと接するときに私が心がけてきたのは、「真摯に聞く」ことだった。まずはマンガやすきなことから話を始め、共感したり質問をしてより深めたりしながらその心に寄り添い、次第に子ど

          2021年 自分のめざす教師像

          読了「いい教師の条件」~教師ほど魂を打ち込める感動的な仕事はない~

          年末は、けっこうゆったりする時間が持てた。コロナによって外出や飲み会が減った結果、家の片づけをする時間が増えたからだ。今年読んだ本の数を数えてみると63冊。例年より時間をとって読めたかなと思う。 「いい教師の条件」とは何かさて、最後に読んだのは諸富祥彦さんの新著。教師だけでなく保護者にもわかるように、東須磨小の教師間暴力事件やコロナ禍など、最新の事件を取り上げてこれからの学校現場で求められる教師像を解説している。なによりこの言葉は、教師を勇気づける一言だ。 教師ほど魂を打

          読了「いい教師の条件」~教師ほど魂を打ち込める感動的な仕事はない~

          子どもたちが「ネットの不確かさ」を知るネタに

          こんな画像が、今年のクリスマスに拡散した。自分も最初は、「すごい!」と思ってしまった。落ち着いて考えれば、これがまったくのデマであることが分かる。 生まれた西暦+年齢=2020  なのは当たり前だし、12月26日~31日生まれの人には当てはまらない。「今後こうなるのは1000年後」なんて、なかなかばかげている。多分これをつくった人は、軽いジョークだと分かるように「1000年後」とあえてつけたのかなとすら思う。 シンプルだが、Facebookにはけっこうシェアしている知り合

          子どもたちが「ネットの不確かさ」を知るネタに

          読了「人を育てる」~「仏様の指」と一流の教師~

          まさかのつながり「仏様の指」という話を知っているだろうか? 今日、「人を育てる~有田和正追悼文集~」を読んでいると、この話が出てきた。実は、20代のうちに読んでいた大村はま先生の「教えるということ」からの引用だった。 過去に自分も気に入っていた話らしく、丁寧に付箋まで付けていたが、すっかり忘れていた話だ。本当に忘れっぽくて恥ずかしい限りだが、こんなつながりを発見できたことはちょっとうれしい。 しかし、教師として大切なことを再認識する話だ。大切なことをもう忘れないようにす

          読了「人を育てる」~「仏様の指」と一流の教師~

          ポスト・コロナの学校②~「生命への畏敬の欠けたところに教育はない」~

          そもそも「学校」とは?新型コロナ禍下で、ICT環境の整備が進められている。知識の習得については、「学校に通えなくても学ぶ」ことができるようになる状況が整えられているということだ。 そうなると、学校はなんのためにあるのか?ますます意義を失う。 学校でない場所で、情報端末から学ぶ。そうすれば、こどもどうしのトラブルは激減、いじめもゼロに近づくはずだ。しかし、それで人間の成長に必要なことが満たされるのだろうか。「本当にそれでいい」と言えるだろうか。それなら、もはや教師は必要なく

          ポスト・コロナの学校②~「生命への畏敬の欠けたところに教育はない」~

          ポスト・コロナの学校① ~「自分で学ぶ力」を育てる~

          第3波が猛威を振るってきたコロナウイルス。ここでもう一度、基本的な視点は何かを考えてみた。 コロナ禍を受け止める基本的な視点①コロナ=「悪玉」という単純な構図でとらえないこと  こうとらえると、コロナは「撲滅すべきもの」→「そのためなら何でも許される」という押し付けの正義がまかり通ることになる。そうすれば、感染者の排除や差別を正当化したり、感染を隠すことでさらに拡大したりしてしまうことになる。 ②コロナ禍はだれに対しても「平等」に起こっているわけではない。 「社会的弱

          ポスト・コロナの学校① ~「自分で学ぶ力」を育てる~

          読了・なだいなだ「常識哲学」

           noteに記事を書くのがなかなか習慣づかない。学級通信は担任していた時は毎日書いていたのにな…。とにかく、1か月は続けてみたい  今回は、精神科医のなだいなださんの最後のエッセイ・講演録。ユーモアの中にちくっと、言葉を織り交ぜたエッセイの連載を楽しみに読んでいた。なだいなださんが亡くなられたときに購入したのを、再読してみた。  あらすじをざっと(Amazonの書評っぽく)説明すると… 第1章は、講演録。  哲学や先人の言葉からヒントをもらいながら、アルコール依存患者の

          読了・なだいなだ「常識哲学」

          読了「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」

          久しぶりに本を買って読んだ。正直、自分は読書家ではないが、本を読むことの大切さはわかる。図書館で借りるとなかなか2週間で読み切らないことが多い…。買えば「読まなあかん」という気になるから、なんとか読める。面倒な性格だな。若いうちにもっと本を読んどきゃよかったと思うが、後悔先に立たず。 さて、今回はブレイディみかこの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」。イギリスの最近の情勢を描きながら、人種差別やジェンダー、貧困格差など世界の縮図のような世界を、中学生の息子とパンク

          読了「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」