福岡伸一さんのエッセイ集。福岡さんの日々の記録でありながら、生物学の勉強なる本だった。
植物から動物への進化には必須アミノ酸が重要なカギを持つのではないかという説。どこまで正しいかはわからないが実際にあり得そうだ。
進化という言葉は数万年レベルでの話だけでなく、人間が関わったことによるもののあるようだ。
腸内細菌でどのような食べ物が食べられるかが変わるのが面白い。
夏井睦『炭水化物が人類を滅ぼす』にも腸内細菌の記述がある。そこでは、青汁だけの摂取で生活している人を例として、そのような人たちが生きていられるのは腸内に青汁から栄養をとることに特化した腸内細菌がいるからではないかという仮説が述べられている。
遺伝子そのものは変わらないが、どの遺伝子をコピーするかは親から子へ遺伝する。生物の順応性の高さの原因の一つなのかもしれない。
もともと有性生殖のためだけの存在だった、雄が社会の人間社会の中心にまで成り上がった理由の福岡さんの仮説。雌雄の話は福岡伸一『できそこないの男たち』により詳しく書かれている。