森田真生さんの最新刊。著者自身が述べているとおり、内容に数学要素が入ってない初めての本だ。
内容はコロナ禍の著者の記録を元に話が進んでいく。
たしかに環境問題の対策とコロナ対策ではスピード感が全然違った。町の至る所で消毒液や検温器が配備され、町中の人間がマスクをするまでそこまで時間がかからなかった。対して、環境問題の対策は10年単位では差があるが、劇的な変化はない。
教室は人間以外の生物がほとんどいない点で多様性がない。それに加えて、周りの生徒も自分が生まれた年度と同じ人しかおらず、年齢の多様性も低い。同じ年代だけでは、全く違う考えも出てきにくいだろう。生物の多様性に加え、年齢の多様性もある場が必要だ。
最後に、本の内容ではないが、著者の説明欄が素晴らしいものだった。
出身大学や肩書など「著者が何者であるか」というどうでもいい情報はなく、「著者がどのような活動をしているか」にフォーカスが当たっている。
しかも、この説明を読んだだけでは結局何もわからないのが良い。むやみやたらに分かりやすさが求められる時代にこそ、著者のような一言では説明しきれない、わけのわからない方が必要だ。
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