【読感】生命と非生命のあいだ

『生命と非生命のあいだ』小林憲正著を読みました。面白いです。

地球上の生命は特殊なのか、宇宙にありふれているのか?地球で誕生したのか?宇宙からか?

過去の研究では、ミラーの放電実験が有名ですが、それらの歴史も踏まえながら、この分野の研究者らしく、生命宇宙起源説に関連する最新の惑星や小惑星、彗星探査の成果を記述していて、非常に面白いです。はやぶさのサンプルリターンの分析結果も、この本で初めて知りました。

過去の欧米の科学書では、海底の熱水噴出孔が最初の生命の有力候補だったと認識していますが、化学的な分析では、DNAの元になる核酸やタンパク質の材料のアミノ酸をどう作るか?それには水を抜く反応が必要で、海中ではできない。温泉や地中なども生命発生の場との説もある。もちろん、宇宙起源説も。

RNAワールドの話、木星や土星の衛星での声明の可能性などの話も面白いし、読んで損はないですよ。はやぶさの奇跡的なサンプルリターンに感動するだけではもったいない。

生命はどこから来て、どこに行くのか?楽しみながら読める本です。

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