音響式信号機について

今日は音響式信号機についてです。

音響式信号機とは?

音の出る信号機です。視覚障害者用に歩行者用信号が青になっている時に音で案内します。

「ピヨ、ピヨ」「カッコー、カッコー」と音で知らせます。通りゃんせなどの曲が流れる場所や、最近では「青になりました」と言葉で案内するものもあります。

ちなみに、この「ピヨ、ピヨ」と「カッコー、カッコー」が使い分けられてるのを皆さんはご存じでしょうか?

主要道路、道幅の広い道路、同じ道幅であれば東西が「カッコー」、従道路、道幅の狭い道路、同じ道幅であれば南北が「ピヨ、ピヨ」だそうです。

気にしたことがないと分からないですね。今度音響付き信号機のある交差点に行った時には聞いてみてください。

音響式信号機と視覚障害者の交通事故

音響式信号機が無いと視覚障害者はカンで渡るしかありません。周りに人がいる感覚がしたり、車が通っている音で判断して渡ります。一種の賭けです。(「青になりましたよ」とでも声かけしていただけると助かります)

最近は特にハイブリッド車などでエンジン音のしない車も増えたので、車が近づいてきている音が分からずに青だと思って渡って事故になるケースも増えました。

それで音響式信号機が必要となります。

視覚障害者は音響式信号機が少しずつ普及しているおかげで、安心して横断歩道を渡れるようになりました。それでも事故は絶えません。

また、近隣住民とのいざこざも増えました。

音響式信号機を設置したことで、近隣住民から「うるさい」や「ずっと鳴り響いているので家族が精神的にまいってる」などの苦情が寄せられ、夜から朝方までは鳴らさないようにしているところも多いです。

その中でも朝方に出社するために駅に向かってた視覚障害者が音のならない状態の時に渡って交通事故で無くなるという被害が発生しました。これは各地で数件発生しています。

また、音量を下げて対応する地域もありましたが、結局視覚障害者に聞こえない事には意味がありません。なかなか音量で解決するものでもなさそうです。

最近では

最近では信号機の押ボタンの部分に手をかざすと、その回だけ音が鳴るような装置も出てきました。

車椅子やご老人の方で「歩行者信号が青になっている時間を延長するボタン」というものも一緒についているものもあります。

これだと近隣住民も大丈夫だろうと思っていたところ、それでも「うるさい」との苦情は来るそうです。

音が鳴っている時は障害者が渡っている時と、少し優しい気持ちになっていただきたいものです。

他にも、Bluetooth で飛ばして手元のバイブレーターで知らせる装置なども出始めています。

権利などで時間がかかっているようですが、iPhoneやAndroidアプリで信号の色を認識して知らせるアプリ等ももうすぐ出てくると思います。

とはいえ、おじいちゃんおばあちゃんがアプリを使いこなせるかというと、それはそれでハードルが高そうですので、どんどん知恵を出して、解決策は1つではなく複数のソリューションが出てくるといいですね。

近隣住民の方とのいざこざには進展して欲しくないので、少しずつですが、こういった技術が進化していって欲しいものです。

まとめ

音響式信号機1つとってもいろんなストーリー(署名活動、手続き、苦情、問題、解決策など)があります。

このあたりも理解していくことで、少しずつみんなが思いやりを持って素敵な解決策が生まれることを期待したいと思います。


というところで、今回はここまで。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?