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ビジネスの本質とは何か? 〜儲け主義か人間主義かが、死ぬか生きるかの分岐点 〜

  現代社会において、ビジネスは経済成長の要であり、多くの人々の生活を支える基盤となっている。しかし、その目的が「儲けること」だけになってしまったとき、本当に人々にとって価値あるものを提供しているのか、深く考えなければならない。私たちは何のためにビジネスをするのか? これはシンプルな問いでありながら、その答えによってビジネスの存続にも大きく影響する。

儲けるためにビジネスをする人の価値観

 ビジネスの第一目的を「儲けること」とする人々は、顧客や取引先を単なる「利益を生み出す手段」として見てしまいがちである。彼らの視点では、いかに安く仕入れ、高く売り、競争に勝つかが最優先となる。
 こうした価値観が広がると、消費者はターゲットとして扱われ、企業は利益を最大化するために顧客の弱みを突いたマーケティング手法を駆使する。高額なセミナー、詐欺まがいの投資案件、過剰な消費を促す広告戦略などは、まさに「儲けるためのビジネス」の典型例である。
 このようなビジネスモデルの背景には、「楽して稼ぐ」という考え方がある。しかし、誰かが楽をするということは、裏で誰かが苦労しているという現実を忘れてはならない。情報産業や金融業が隆盛を極める一方で、一次産業である農業や漁業が衰退し、私たちの生活を根本から支える産業が軽視されているのは、その典型的な例だ。
 北半球と南半球との間に存在する経済格差も見過ごせない。北半球に集中する資本や技術により、一部の国や地域では莫大な利益が追求される一方、南半球では資源の搾取や貧困が深刻化する現実が存在している。
 また、利己的なマーケティングが蔓延していることも問題である。企業は「買わせる」ために、顧客の不安や欲望を巧みに刺激する戦略をとる。健康食品、美容商品、高額な情報商材など、実際には必要のないものが、「これがなければ不安だ」という感情を煽ることで売られている。本当に必要なものではなく、売り手にとって利益が高いものが市場に溢れている。これらも、社会全体の信頼を損ねる要因となっている。 

人のためにビジネスをする人の価値観

 一方で、ビジネスの目的を「人の役に立つこと」と捉える人々も存在する。彼らは、顧客を単なる「金を払う存在」とは考えず、その人の成功や幸福に寄与することを最優先にしている。短期的な利益よりも、顧客との長期的な関係を重視する姿勢が根底にある。
 たとえば、健康を支える食品会社は、売上を伸ばすために添加物を増やすのではなく、より安全で栄養価の高い商品を提供することを考える。教育関連の企業は、学生を高額な受講料で縛るのではなく、本当に彼らの成長につながる学習機会を提供する。
 さらに、こうした企業は自社の「パーパス」、すなわち存在意義を明確に打ち出すことで、社会や顧客、従業員に対して真摯なメッセージを伝え、長期的な信頼と共感を築いている。利益追求だけでなく、持続可能な成功を提供する姿勢は、結果として大きな成功へとつながっている。 

「二方良し」と「三方良し」のビジネス、さらに「四方良し」へ

 多くのビジネスは、売り手と買い手が互いに満足する「二方良し」の考え方で成り立っている。しかし、このモデルには見落とされがちな第三者の視点がある。それは、「社会全体にとって良いかどうか」という点である。
 例えば、環境負荷の高い製品を大量生産し、短期間で利益を上げる企業があるとする。一見すると、企業は利益を得て、消費者は便利な商品を手に入れることができる。しかし、長期的には環境破壊が進み、将来の世代に悪影響を与えることになる。
 本当に持続可能なビジネスとは、経済活動が環境を破壊するものであってはならない。「三方良し」の視点を持つだけでなく、製品のライフサイクル全体を通じて環境負荷を最小限に抑え、自然と共存する「四方良し」のビジネスモデルが求められている。売り手、買い手、社会、そして環境のすべてに配慮することで、より持続可能な経済活動が実現できると考えられる。

資本主義のルールと自然の摂理

 現在の経済システムは、資本主義のルールに基づいて動いている。しかし、そのルールは人間が作り出したものであり、決して絶対的なものではない。一方で、自然の摂理は、長い歴史の中で確立された持続可能なシステムであり、それに従うことこそが、私たちが生き延びるために必要な道筋である。
 資本主義のルールでは、競争が前提となり、強者が生き残り、弱者が淘汰される。しかし、自然界においては、「多様性と共存」こそが生態系のバランスを維持する鍵となっている。
 私たちが本当に目指すべきは、「資本主義のルールに従って生き残ること」ではなく、「自然の摂理に基づいて共存し、持続可能な未来を築くこと」である。
 

これからのビジネスに求められること

 これからの時代、単なる利益追求型のビジネスは次第に淘汰されていくだろう。なぜなら、消費者自身が「本当に価値のあるもの」を見極める力を持ち始めているからだ。
 私たちは、資本主義のルールがすべてではないことに気づき、自然の摂理に従ったビジネスのあり方を模索する必要がある。そのためには、次のような行動が求められる。
①    本当に人々のためになる商品・サービスを提供する
・短期的な利益よりも、長期的な価値を優先する。
②    社会全体にとっての影響を考える
・「売り手良し、買い手良し、社会良し、そして環境良し」の四方良しを実践する。
③    競争ではなく協力を重視する
・競争原理に基づく奪い合いではなく、共存と共栄を目指す。
④    資本主義のルールに疑問を持つ
・資本主義の枠組みにとらわれず、より持続可能なシステムを考える。
 

まとめ

 私たちは、資本主義のルールに従うべきなのか、それとも自然の摂理に従うべきなのか?
 経済戦争の名のもとに他者を出し抜き、自分だけが生き残ればいいのか? それとも、共存共栄の道を選び、持続可能な社会を築くのか?
 利益至上主義が生んだ社会のひずみは、格差の拡大、環境破壊、精神的な疲弊など、あらゆる形で私たちの生活に影響を及ぼしている。資本主義のルールが当たり前だと思い込むのではなく、その枠組み自体を見直す勇気を持つことが大切だ。
 今、私たちに求められているのは、ビジネスを通じて本当に価値のあるものを提供し、人々の生活を豊かにすること。そのために、どのようなビジネスを残すのか、一人ひとりが考え、行動することが求められている。
あなたは、どのような未来を望みますか?
 

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